ホンダPUのアップデートは日本GP以降になる可能性が高く、しばらくは現状のままで戦わなければならない。しかしモンツァでパワーユニットのスペックCを投入してきたルノーといい、フェラーリやメルセデスAMGとのパワー差は小さくないとはいえ、車体性能でひっくり返すとまではいかなくともかなり挽回できる差であることがスパとモンツァで証明されたのも事実だ。
トロロッソ・ホンダは第9戦オーストリアGPに投入した新型フロントウイングが不発で、空力パッケージとしては「いくつか細かなアップデートは入っているとはいえ、マシンの基礎的な部分はシーズン序盤からほとんど変わっていない」(ガスリー)という状態だ。
「だからこそマシンパッケージの全てを最大限に引き出すことが重要なんだ。ここ数戦ずっとポイント争いができているのは、まさにエンジニアもドライバーも含めてチームがマシンの全てを引き出せていることの証なんだ」(ハートレー)
シーズン前半戦にはそのセットアップ面でダウンフォースとドラッグ、最高速の妥協点を見出す作業に失敗し、何度も苦戦を強いられてきた。しかしシーズン後半戦に突入してからの高速連戦をトロロッソ・ホンダは非常に上手く戦った。
次は第16戦ロシアGP・第17戦日本GPの連戦をターゲットに開発が進められている空力パッケージのアップデートに期待がかかる。
「次のアップデートに向けては、今までに投入して機能しなかったものがどうして機能しなかったのかをしっかりと理解する必要があるし、開発段階や風洞のコラレーションをきちんと取る必要がある。中団グループはすごく接戦で0.1秒や0.15秒が大きなポジションアップに繋がるし、できるだけ早くアップデートを投入したいね」(ガスリー)
シーズン後半戦に向けて、まだ希望が失われていないことを証明することができたトロロッソ・ホンダの高速2連戦だった。