むしろ、このレースでのフェルスタッペンの敵はレース前半にテール・トゥ・ノーズの戦いを演じたメルセデスのバルテリ・ボッタスだった。このときボッタスはパワーユニットとブレーキがオーバーヒート気味だったためにペースが上がらなかったのだが、その後ろを走行していたフェルスタッペンもまた「前のクルマに近づいたときに吸気温度が想定も高くなり、エンジンのパフォーマンスに影響が出ていたため、ピットから前車との距離を開けるように指示を出していた」(田辺豊治F1テクニカルディレクター)のである。

 もちろん、これをもって、ホンダPUがメルセデスPUに追いついたという言うつもりはないが、もしも予選のQ2でフェルスタッペンが赤旗によるアタック断念という不運に見舞われていなければ、パワーサーキットが舞台のカナダGPでもホンダは、メルセデス勢、フェラーリ勢とともに表彰台を争っていたはずだった。

 つまり、今回のカナダGPの結果は、今後の中盤戦でもホンダPUを搭載するレッドブルは上位集団の中で戦うことを、今シーズン7戦中6戦でポイントを獲得しているトロロッソは、第2集団の上位で入賞争いを繰り広げることを意味する。

 カナダGPのトップ10フィニッシュの搭載PUの内訳は、メルセデスが3台、フェラーリが2台、ルノーが2台、そしてホンダは3台だった。3台入賞しても、もうだれも驚かなくなったが、それこそが驚くべき進化なのである。

辛口コラムはF1速報WEBで掲載中

ホンダF1辛口コラム カナダGP編:パワーユニットではなく、レッドブルを批判する日がこようとは

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