他部署からの技術移転・応用として、既に公表されているのがMGU-Hの改良だ。ホンダ・ジェットの技術が応用された。「まずはシャフトの改良で信頼性が確保できた。そこでタービンやコンプレッサーの空力開発にも協力してもらって、これをパフォーマンス向上につなげることにした。こういう流れだと捉えていただければいいと思います」

 空力というとすぐに車体の空力を思い浮かべてしまうが、タービンやコンプレッサー内も超音速の空力だ。信頼性だけでなく性能向上にもホンダ・ジェットの技術が寄与していることを浅木氏は認めた。

 しかし、自分の仕事を思い浮かべてもそうだが、直接関係のない他部署から仕事を突然頼まれても、なかなか身体も頭も動かないもの。ホンダ・ジェット部門はどのように考えたのか? 「ジェット・エンジンの開発は10年単位で行なわれます」と浅木氏。

「ところがF1はそれよりはるかに早いスピードで結果が出る。そういう早いサイクルのなかでホンダ・ジェットの若い技術者を育てることには意義があるというふうにホンダ・ジェット側から言ってもらえたのです」

F1に関係するサプライヤーは欧州に集中している。日本で開発する不利もあるはずだが、社内に技術があればこれ以上の有利はない。サプライヤーを通じて技術がライバルに渡ることがないからだ。

 シルバーストンの善戦でレイアウトと速度域の似た鈴鹿でも期待が高まる。鈴鹿に向けたスペシャル・エンジン投入はあるのだろうか?

「ペナルティを受けてもスペシャルを投入する価値があるかどうか、ということに帰結します。我々にとっても、やはり日本の皆さんには応援していただきたいし、日本GPでいい結果を出したいという思いもあるので、もしもやるのだったら鈴鹿に間に合わせたい。ただし、『それによってトータルの獲得ポイントが減らないのであれば』という条件付きですが……」

 第15戦シンガポール、あるいは第16戦ロシア、またはもっと早い第14戦イタリアでスペック4を投入し、レース距離での信頼性、パフォーマンスを確認した上で、鈴鹿で“全開”。そして標高の条件がなくともメルセデスを超える──このシナリオに向けて準備が進んでいるのは確実だ。ここからホンダ・ファンがなすべきことは過剰な期待で無用なプレシャーをかけないことだろうか? 雑音を遮断するのにHRD Sakuraの環境は最適かもしれない。

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