先の2連戦ではいずれもどちらかのドライバーがペナルティを消化することになっており、最初から予選パフォーマンスを捨ててロングランに一極集中するため異なる方向性でマシンセットアップを進めていた。しかしイギリスGPでは2台揃って予選と決勝の最適なパフォーマンス妥協点を追究する作業に専念することができ、より多くのデータを元により精度の高いセットアップが可能になったというわけだ。

「今週は2台ともペナルティを受けなくて良い。ということは2台でそれぞれ予選・決勝に専念といったような別々のアプローチを採る必要がない。2台でともにその両方の最適なバランスを追究することができる。それは間違いなくポジティブなことだよ」(アルボン)

 特にまだ経験が浅いアルボンにとっては、マシンと自分自身のファインチューニングという意味でチームメイトのデータを参考にできたことは大きかった。

 自宅のあるミルトンキーンズは20分の場所であり、まさしく地元レースであり勝手知ったるサーキットであるということもあった。

 マシンは最高の仕上がりで、ドライビングも上々。アルボンは中団トップ争いに胸を躍らせていたが、最悪のタイミングで入ったセーフティカーによってアドバンテージを失ったどころか、大きな不利を背負うことになった。同じ状況に置かれたノリスも、中団トップ争いから入賞圏外へと脱落してしまった。

 セーフティカーが入った瞬間にピットインするという選択肢を採らなかったふたりだけが取り残されてしまったかたちだった。そこからのレース後半戦は救いのないものになってしまった。

「最後までステイアウトすることにした僕も、途中でピットストップしたランドも、最終的には1秒差でフィニッシュしたんだからどうすることもできなかったということだよ」

 アルボンは使い古しのハードタイヤで40周走り続けることになった。最後は「カーカスが見えていて、あと1~2周でバーストしていたかもしれない」というほどだった。10位を堅持していたが最後の最後にタイヤを守るためペースを落として12位まで後退することになってしまった。

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