タイヤがタレてしまい43周目にピットインしたルクレールだが、右リヤに手間取り6.2秒の静止時間となってしまう。これでボッタスの11秒後方でコースに戻ることとなった。同じ戦略で翌44周目にピットインしたアルボンは1.9秒でコースに復帰。後方ではクビアトも44周目に2回目のピットインを行なってサインツの前をキープした。
これで首位はハミルトン、その3秒後方に2番手ベッテル、さらに2秒後方に3番手ボッタス、ハードタイヤを履いたルクレールはハミルトンの14秒後方で1秒速いペースで走る。その9秒後方に5番手アルボン、6番手リカルドはスタートからハードタイヤのまま走りつづけており、7番手まで挽回してきたフェルスタッペンが実質的に6番手にいる。
49周目にガスリーがピットインしてサインツの前で戻り、50周目にはついにリカルドがピットインして全車がタイヤ交換を済ませる。リカルドはペレスの5秒後方8番手でコースに戻り、フェルスタッペンが6番手に浮上した。
48周目にファステストラップを記録したアルボンに対し、ルクレールは53周目にこれを塗り替えて前を追いかける。3番手ボッタスも2番手ベッテルのDRS圏内に入りチャンスを窺うが、ストレートが速いフェラーリに対してなかなか仕掛けるチャンスが掴めない。そうしているうちに4番手ルクレールも背後に迫って上位4台が5秒以内に連なるかたちとなった。
ルクレールは59周目のターン4で左フロントをややロックさせオーバーシュート。これでギャップは再び3秒に広がってしまう。
レースが終盤に入り60周目を過ぎたところから、ハミルトンをはじめとした上位勢がペースを上げていく。これで各車ともルクレールと同等の1分19秒となりルクレールの勝機は小さくなっていった。61周目のターン1でリカルドがペレスのインに飛び込むが止まりきれずオーバーシュート。グリーンを突っ切りターン4でリヤを流しながらコースに復帰する。その後もリカルドはDRS圏内でペレスにプレッシャーをかけ続け、ペレスがなんとかこれを凌ぎきり地元メキシコで中団グループ最上位の7位でチェッカードフラッグを受けた。
ハミルトンはベッテル以下を寄せ付けずギャップを保ったままトップでチェッカーを受け優勝。2位ベッテル、3位ボッタス、4位ルクレールという順位のままでレースを終え、アルボンはトップから21秒遅れの5位。6位はフェルスタッペンとなった。周回遅れのトロロッソ・ホンダ勢にとっては最終ラップとなる70周目のターン16で、ブレーキの磨耗に苦しむヒュルケンベルグにクビアトが追突するかたちとなり、ヒュルケンベルグはスピンしてバリアにクラッシュ。
クビアトとガスリーが前に出て9位・10位でチェッカーを受けたが、クビアトの接触はスチュワードの審議対象となり10秒加算ペナルティが科された。これによりガスリーが9位、なんとか再発進しチェッカーを受けたヒュルケンベルグが10位、クビアトは11位という結果になった。