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F1 ニュース

投稿日: 2021.03.26 10:13
更新日: 2021.03.26 12:27

【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第1回】転換期を迎えたハース。若手ふたりがチームにもたらす“ポジティブ思考”に期待

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F1 | 【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第1回】転換期を迎えたハース。若手ふたりがチームにもたらす“ポジティブ思考”に期待

 昨年の最後のコラムでも書きましたが、チームの組織づくりのためには抜本的な改革が必要です。年明け1月4日から新体制で動き始めていますが、まだまだ新体制での実際の働き方を調整している最中です。

 シモーネ(・レスタ/テクニカルディレクター)をはじめとする新しいスタッフたちは、F1のなかでも一番大きなフェラーリから一番若くて小さなハースへ移籍してきました。フェラーリとハースでは、組織の規模、物事の考え方や進め方、優先順位のつけ方など異なる事柄が多いので、会議ひとつをとってもお互いのやり方に慣れるまでに時間が必要です。

 僕は効率を重視し、一番上の視点から俯瞰的に物事を見て、このチームに何が必要だというのを考えて、そのなかで優先順位をつけていくようにしているのですが、この点もフェラーリでは異なります。フェラーリではいろいろなことが細分化されているので、自分の分野のことだけを考えて、自分のやっていることがどうしてチームに必要なのかと本当に考える機会や習慣が少ないのかもしれません。

 ウチは小さなチームなので、自分のやっていることがなぜチームに必要なのかということをひとりひとりがよく考えてほしいんです。どの仕事をしていても、結局僕たちの仕事はレースであって、最終的な目標は勝つことです。購買担当でもシミュレーション担当でも電気担当でも、みんなどこかでレース結果に関わっている。自分が今やっていることがどのようにしてチームに貢献しているかがわかれば、やる気にも繋がりますよね。

ミック・シューマッハー(ハース)
2021年F1プレシーズンテスト3日目 ミック・シューマッハー(ハース)

 今年の目標は『すべてのレベルアップ』です。2022年にいいクルマを作って、セットアップももっと高いレベルでできるようにして、信頼性の問題も解決して、最適な状態で2022年を迎えられるようにきちんとしたチームにしていきたいと思います。

 このような状況のなかでチームに対して伝えているのは、ドライバーが良いレーススタートを決めたり、誰かが良い仕事をした時は、その人にはポジティブにプライドを持って家に帰ってほしいということです。たとえば今年は、ピットストップに重点を置いています。この2年間はチームの士気も落ちてしまっていたので、今年は高いレベルでピットストップやろうと決めてひとつのミッションにしました。クルマが最下位でも、ピットストップの作業時間がトップ10に入っていたら、そこで競争できているということですし、メカニックたちが誇りを持って週末を終えられますよね。

 ニキータとミックにしても毎レース改善していかないといけないことがたくさん出てくるはずです。クルマ担当のエンジニアたちには、それがひとつでもふたつでも解決できたらポジティブに捉えて次に繋げようと伝えています。

 23レースと過去に例をみない長いシーズンになりますが、今年もよろしくお願いいたします。

ニキータ・マゼピン(ハース)
2021年F1プレシーズンテスト ニキータ・マゼピン(ハース)
ニキータ・マゼピン(ハース)
2021年F1プレシーズンテスト2日目 ニキータ・マゼピン(ハース)
ミック・シューマッハー(ハース)
2021年F1プレシーズンテスト2日目 ミック・シューマッハー(ハース)
ミック・シューマッハー(ハース)
2021年F1プレシーズンテスト3日目 ミック・シューマッハー(ハース)


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