メルセデスがチームオーダーを出すことは滅多にないが、ときにはそうすることもあり、2021年F1第9戦オーストリアGPもそうしたケースのひとつだった。
決勝レース前半ではメルセデスのルイス・ハミルトンが2番手を走行していたが、首位を走るマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)を捕らえる見込みはなかった。
その後ハミルトンは縁石でマシンにダメージを負い、ペースを落とした。そこへチームメイトのバルテリ・ボッタスがハミルトンの後ろに追いついていたが、ハミルトンが2位となってポイントを獲得することを強く望んでいたメルセデスは、当初はボッタスにハミルトンの後方にいるように指示を出した。