■アストンマーティン
セバスチャン・ベッテル:評価 9/10
予選9番手/スプリント13番手/決勝8位
メルボルンでの今季初グランプリはひどい週末になったが、イモラでベッテルは、4度の世界チャンピオンとして真の才能を発揮した。難しいコンディションでQ3に進出、スプリントレースのスタートで9番手を維持したものの、後方の数台は彼より速く、タイヤにも優しいマシンだったため、13番手に落ちた。
日曜決勝での1周目は素晴らしく、序盤に8番手までポジションを上げ、その位置でフィニッシュした。アロンソのリタイアで繰り上がり、ピットストップの後、マグヌッセンの前に出た。しかし早めにタイヤ交換をしたため、角田を抑えきることはできなかった。
ランス・ストロール:評価 6/10
予選15番手/スプリント15番手/決勝10位
シーズン初ポイントを獲得、これまでのグランプリよりは良い週末だったが、予選でも決勝でもベッテルにかなわなかった。Q1ではそれなりのペースを見せたものの、Q2ではうまくラップをまとめることができず、スプリントを15番手からスタートすることになった。スタートでハミルトンの前に出たが、彼を抑えきることはできず、日曜決勝では結局15番グリッドについた。
ターン1でインシデントが起きたことで10番手まで上がり、レースを通してその位置を走ったが、前のグループにはついていくことができず。しかしストロールが最後までオコンを抑えきったことで、アストンマーティンにとっては今年ベストの週末となった。
■ウイリアムズ
アレクサンダー・アルボン:評価 7/10
予選ノータイム/スプリント18番手/決勝11位
今回もアルボンは、全チーム中最も競争力の低いマシンで、最大限の戦いをしてみせた。予選ではセッティングが適切でなかったため、右リヤブレーキがオーバーヒートして爆発、走ることができなかった。スプリントレースは最後尾から出走、チームメイトのニコラス・ラティフィを抜くことしかできず、日曜決勝は18番グリッドからのスタートに。1周目に3つポジションを上げ、ピットストップでもさらに上昇。オコンを抜くことはできなかったが、後ろのガスリーとハミルトンを抑えきり、オコンがペナルティで降格されたことで、11位となった。ポイント獲得まであと一歩だった。
ニコラス・ラティフィ:評価 4/10
予選18番手/スプリント19番手/決勝16位
人柄の良いラティフィが苦しんでいるのを残念に思う。彼はドライビングの仕方について真剣に見直す必要があるだろう。昨年のラッセルとの差よりも、今年のアルボンとの方がスピード差が大きい。アルボンが非常に才能あるドライバーであることは間違いないが、ラティフィの側も明らかに去年よりうまく走れていない。
予選Q1ではトラブルなく走ったドライバーのなかで最下位の18番手。スプリントレースではオコンとアルボンに抜かれ、最下位となった。日曜決勝はスタートをうまく決めていくつか順位を上げ、その後はウイリアムズの優れたトップスピードを使ってしばらくは周冠宇を抑えこんだ。リカルドとシューマッハーがそれぞれ複数回ピットストップをしたおかげで、ラティフィは16位という結果になった。
■アルファロメオ
バルテリ・ボッタス:評価 8/10
予選8番手/スプリント7番手/決勝5位
セッション1回を丸々失ったのはシーズン2回目のことだ。今回はFP2で走れなかったが、それはパフォーマンスに影響せず、アルファロメオのチームリーダーらしい働きをした。
Q3でテクニカルトラブルが発生したため、予選では8番手どまり。それがなければトップ5に入れたと彼は考えている。スプリントレースではスタートでベッテルとサインツに抜かれたが、後にベッテル、アロンソ、マグヌッセンを抜いて7番手となった。
日曜決勝ではリカルドとサインツのインシデントに巻き込まれ、ラッセルの後ろになり、レース前半は7番手を走り、リバッツァで路面の濡れた部分を利用してマグヌッセンを追い抜いた。タイヤの状態が良かったために、終盤ラッセルに追いついたが、最終コーナーでのトラクションが足りず、追い抜くことはできなかった。
周冠宇:評価 5/10
予選14番手/スプリントリタイア/決勝15位
ほとんどが彼のせいではないが、F1にデビューして以来最も厳しい週末を過ごした。予選ではウエットコンディションでの走行経験が足りず、ボッタスよりQ2で1.2秒遅い14番手に。スプリントレースではガスリーをピラテッラのアウト側から追い越そうとして接触が起きた。後から思えばもう少しイン側にスペースを残しておいてもよかったかもしれないが、それはガスリーにも言えることだ。
メインレースをピットレーンからスタート、40周目にラティフィを抜いて15番手に上がった。ストロールが先頭のDRSトレインに追いつくことはできずにその位置でレースを終えた。全体的にボッタスのラップタイムには全く近づくことができなかった。
■ハース
ケビン・マグヌッセン:評価 8/10
予選4番手/スプリント8番手/決勝9位
予選で輝いたひとりで、スプリントレースの4番グリッドを獲得した。だがスプリントでミディアムタイヤを選んだのはベストの選択ではないことがすぐに判明した。スプリントで8番手を獲得し、日曜決勝序盤は、望みどおりウエットコンディションとなった。タンブレロのインシデントを避けて5番手に上がったが、後方のグループの方がペースもタイヤの持ちもよく、良いディフェンスを見せた場面もあったものの、9位2ポイントで週末を締めくくった。
ミック・シューマッハー:評価 4/10
予選12番手/スプリント10番手/決勝17位
シューマッハーは今のところチームメイトに全く太刀打ちできずにいる。Q2では約1秒遅い12番手に。スプリントレースでは、チームがタイヤ選択を誤ったにもかかわらず、スタートでラッセルを追い抜いたのはよかった。ベッテルの後退で、シューマッハーは決勝10番グリッドを確保した。日曜決勝では、スタートでアロンソを追いかけるが、スピンを喫し、ポイント獲得のチャンスを投げ捨てた。後方に落ちた後、挽回することができず、残り10周というところで、2回目のピットストップも行って、17位でフィニッシュ。終盤に新しいソフトタイヤで走ったため、レース中のファステストラップでは4番手のタイムを刻んだが、またもポイント獲得には届かなかった。