WEC世界耐久選手権に参戦するトヨタ・レーシングは16日、9月20日〜22日に開催される第5戦オースティンのプレビューを発表したが、その中でオースティンに続く第6戦富士6時間に7号車を復活させ、2台体制で臨むと発表した。
今季のトヨタ・レーシングは第1戦シルバーストンから2台のTS030ハイブリッドで参戦。しかし2012年仕様で苦戦、13年仕様を投入してからもライバルのアウディR18 e-トロン・クワトロ勢に対し、まだ1勝も挙げられていない。
そんな中、第3戦ル・マン24時間以降の第4戦サンパウロ、第5戦オースティンではチームがもつリソースを最も効率的に活用するため、2013年の活動と、2014年規定新型車両開発を同時に進行するとし、アレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴組7号車の参戦を休止。アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/ステファン・サラザン組8号車の1台のみで参戦している。
しかし、トヨタ・レーシングでは昨年も勝利を飾り、トヨタにとって地元戦となる第6戦富士には7号車を復活させ、第3戦ル・マン以来の2台体制とすることを明らかにした。
なお、WEC富士での2台体制の復活については、7日のスーパーGT第6戦富士の予選後、日本のメディア向けにメディアミーティングが行われ、すでに内容が明らかにされていた。
このメディアミーティングに出席した中嶋一貴は富士戦に向けて「本当はサンパウロ、オースティンと出たかったですし、ル・マンはあまりいいレースとは言えなかったので、その分を富士にぶつけたい」と意気込みを述べた。
「トヨタの地元である富士でなんとか2台で出られないかと検討を重ね、なんとか2台の出場を決めることができた」と高橋敬三モータースポーツ部長。昨年、地元で見事な勝利を飾ったトヨタは、2台体制でアウディにどう対抗していくのか注目したいところだ。