毎年23万人以上の入場者を誇るドイツの国民的イベント、ニュルブルクリンク24時間レースに先駆けて、ベルント・シュナイダーやディルク・アドルフ等ドイツの自動車メーカーのワークスドライバーらが参加し、一般市民にも開放した記者会見がケルンで行われた。

　現在179台のエントリーが発表されているが、そのうちGT3車両を使うSP9クラスが35台を占めており、ヨーロッパでのGT3ブームを象徴していると言える。実質的に総合優勝を争うクラスとなるが、昨年悲願の総合優勝を飾ったアウディR8 LMSウルトラで参戦するフェニックス・レーシングは2連覇を狙い、それを迎え撃つBMWやメルセデスベンツ、ポルシェ等のGT3車両にも注目したいところ。

　そんな中、今季は日本車としても初めてGT3車両が登場する。『グランツーリスモ』シリーズの生みの親として知られる山内一典氏が加わるシュルツ・モータースポーツが、ニッサンGT-RニスモGT3を投入、SP9に参戦する。この車両には、ミハエル・クルムも乗り込む予定だ。

　日本からはその他にも、スバルWRX STIで参戦するSTI（スバル・テクニカ・インターナショナル）やLFA、IS-F、トヨタ86で参戦するGazoo Racingも毎年恒例のエントリー。“モリゾウ”の名でトヨタ自動車豊田章男社長もエントリーをしている。

　今季のニュルブルクリンク24時間では、昨年から導入された、予選や事前のVLNレースで上位入賞を果たしたチーム40台のみが参加できる『トップ40』という予選形式もそのまま採用され、1台ずつ順々に10秒刻みにスタートし、20分間のタイムアタックでポールポジションを賭ける。

　また、しばらくの間中止されていたニュル近郊の町、アデナウで木曜日に開催されるファン向けのレーシングカーパレード『アデナウワー・レーシングデイ』も復活。そして、レース直前には、元F1ワールドチャンピオンのミハエル・シューマッハーが、メルセデスF1を駆り“グリーンヘル”ことノルドシュライフェを走行することが発表された。

　ニュル24時間レースはドイツ時間の5月19日午後5時にスタートする。

●ニュルブルクリンク24時間レース　日本人関連のエントリー
Gazoo Racing　SP8
#78　レクサスIS-F
木下隆之／勝又義信

Gazoo Racing　SP8
#79　レクサスLFA
影山正彦／石浦宏明／大嶋和也／モリゾウ

アストンマーチン・テストセンター　E1-XP2
#100　アストンマーチン・ラピードS
ウルリッヒ・ベッツ／ヴォルフガング・シューバウアー／マシュー・マーシュ／桂伸一

ゴッツ・モータースポーツ　E1-XP2
#102　フォルクスワーゲン・シロッコGT24
オラフ・シュレイ／グレゴリー・スパーク／アンドレス・セラーノ／山本泰吉

スバル・テクニカ・インターナショナル　SP3T
#120　スバルWRX STI
吉田寿博／佐々木孝太／マルセル・ラッセー／カルロ・バンダム

シュルツ・モータースポーツ　SP9 GT3
#123　ニッサンGT-RニスモGT3
山内一典／ミハエル・シュルツ／トビアス・シュルツ／ミハエル・クルム

Gazoo Racing　SP3
#135　トヨタ86
飯田章／井口卓人／蒲生尚弥／モリゾウ

Gazoo Racing　SP3
#136　トヨタ86
木下隆之／佐藤久実／矢吹久／平田泰男

ロードランナー・レーシング　SP3
#141　ルノー・クリオ・カップ
ユルゲン・ペーター／梅本淳一／トーマス・D.ヘズラー／奥村浩一

アドレナリン・モータースポーツ　V6
#170　BMW Z4 M
ユルゲン・バスマン／岸本裕行／前嶋研一

TBN　V6
#174　BMW E46 M3
水谷昇作／フィリップ・デベーサ／密山祥吾／横溝直輝

ボンク・モータースポーツ　V3
#205　BMW320si
アクセル・バルクハルト／ユルゲン・メイヤー／ガイ・スチュワート／伊藤俊哉