WEC世界耐久選手権の2015年シーズン最終戦となる第8戦バーレーンが、11月19日〜21日に開催される。スポット参戦も含めて4クラス合計32台が参戦するこのレースでは、LMP1クラスのドライバーズタイトルを始めとして、各クラスの今季のタイトルが決まる一戦となる。

　11月初めに上海で行われた第7戦では、LMP1を戦うポルシェがマニュファクチャラーズチャンピオンを決めているが、ドライバーズタイトルの決着は最終戦まで持ち越された。

　そんなLMP1クラスでドライバーズタイトルを争うのは、17号車ポルシェのティモ・ベルンハルト／ブレンドン・ハートレー／マーク・ウエーバー組と、7号車アウディのマルセル・ファスラー／アンドレ・ロッテラー／ブノワ・トレルイエ組。上海戦を迎える段階では、わずか1ポイント差となっていた両者だが、17号車が上海を制し、7号車は3位となったことでポイント差は12に拡大。17号車が優位な状況でこの最終戦を迎えることとなった。果たして、ポルシェがダブルタイトルを決めるのか、それともアウディが意地のドライバーズタイトル奪還なるか。

　また、すでにチャンピオン争いからは脱落してしまっているトヨタ陣営も、ここで好結果を残して来季へと繋げたいところ。また、2号車トヨタTS040ハイブリッドをドライブするアレックス・ブルツは、このレース限りでレーシングドライバーを引退することを発表しており、ラストレースをどのようなリザルトで締めくくることになるだろうか。

　LMP2クラスでは、G-ドライブ・レーシングの26号車リジェJS P2・ニッサンと、KCMGの47号車オレカ05・ニッサンがドライバー／チームの両タイトルを争う展開。G-ドライブの26号車が153ポイントで首位につけ、KCMGの47号車が137ポイントで追う形となっている。またこの最終戦では、今季のヨーロピアン・ル・マン・シリーズ（ELMS）に参戦していたAFレーシングが、BR01・ニッサンでスポット参戦する。

　LM-GTEプロクラスでは、フェラーリとポルシェがGTマニュファクチャラーズランキングとGTドライバーズランキングで首位を争う展開。マニュファクチャラーズタイトル争いでは、フェラーリがポルシェと4ポイント差で首位につけている。

　一方、ドライバーズランキングでは、91号車ポルシェのリヒャルト・リエツが135ポイントで首位。同じく91号車をドライブするも第2戦を欠場したミカエル・クリステンセンが117ポイントで2位につけ、3番手に71号車フェラーリのダビデ・リゴン／ジェイムズ・カラド組。そして4位の51号車フェラーリのジャンマリア・ブルーニ／トニ・バイランダー組までが戴冠の可能性を残している。なおこのクラスでは、95号車アストンマーチンがBoPに不服があるとして上海戦を欠場していたが、この最終戦で再びシリーズに復帰している。

　LM-GTEアマクラスでは、72号車フェラーリのSMPレーシングが155ポイントでドライバー／チームの両ランキングともに首位。19ポイント差で2位に続く83号車フェラーリのAFコルセも戴冠の可能性を残して、この最終戦に臨むこととなる。

　また、決勝の翌日となる22日に行われるルーキーテストのエントリーリストも発表されている。このテストは、WECや主要な耐久レースのカテゴリーから、WECのプロモーターが3名のドライバーを選出し、LMP1車両のドライビング経験を提供するという初の試み。今回はサム・バード、リッチー・スタナウェイ、ミッチー・エバンスの3名が選出され、それぞれトヨタ、アウディ、ポルシェのマシンをドライブする。

　参加する各マニュファクチャラーも、希望すれば追加のドライバーのテストも行うことができ、トヨタはGP2ドライバーのアレックス・リン、そしてポルシェはファン-パブロ・モントーヤを起用する。また、トヨタとアウディは、チェック走行の担当としてマイク・コンウェイ、ブノワ・トレルイエをラインアップしている。

　また、各クラスの車両も参加しており、4クラス合計11台がこのテストに参加、LM-GTEプロクラスの99号車アストンマーチンには、レギュラードライバーのダレン・ターナーをはじめとして、9名のドライバーがラインアップされている。