全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿は決勝レース2が行われ、ファイナルラップ目前に雨が降り出す変わりやすい天候の中、中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)が優勝。山本尚貴(TEAM無限)が3位に入り、スーパーフォーミュラの初代チャンピオンに輝いた。
いよいよ今季最後の公式戦となるスーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿。午前のレース1の後、鈴鹿サーキットは雨が止み、コンディションは好転。スタート前のウォームアップからスリックを装着するマシンが現れはじめ、グリッドでは選択が分かれることに。ただ、上位陣はウエットを装着してフォーメーションに出た。
迎えたスタートでは、ポールポジションの山本がトップをキープ。一方、2番手スタートのジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)がポジションを落とし、3番手スタートの小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が2番手に浮上する。3番手には中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)が上がったが、スプーンでコースアウトを喫した。
その一貴とオリベイラは、1周目を終えてそのままピットに向かい、スリックに交換する。首位山本は翌周、小暮はさらにもう1周後にピットに向かうが、1周目にピットに向かった一貴、オリベイラが山本の横を通過していく。
序盤はスリックでスタートしたジェームス・ロシター(PETRONAS TOM'S)が首位を走り、同じくスリックスタートの平川亮(KYGNUS SUNOCO)、平手晃平(P.MU/cerumo・INGING)、国本雄資(P.MU/cerumo・INGING)がこれを追う。ただこの4台はタイヤ交換義務があり、28周のチェッカーまでに一度ピットに戻る必要があった。この4台がピットインまでにいかにマージンを稼ぐか、スリック交換組がどれほどギャップを縮めるかがこのレースの焦点となった。
交換組の中でトップに立ったオリベイラは、快調なペースでスリック組とのギャップを切り取る。スリックスタート組の中では平川、ロシターの順でピットに向かうが、いずれも小暮の後方でピットアウトしていった。
スリックスタート組の中で、ピットインを引っ張ったのはP.MU/cerumo・INGINGの2台。17周を過ぎるとポツポツと雨が降り出したが、すぐに路面を濡らすには至らず。平手は20周終了時にピットに向かい、これでオリベイラが首位に浮上する。
しかし、チェッカーまで5周というところで、オリベイラにトラブルが起きたか、急激にペースが鈍り、さらに残り2周で鈴鹿にはかなり大粒の雨が降り始める。これに乗ったか、27周目のデグナーでオリベイラがコースアウト! リヤからバリアにクラッシュしてしまった。
これで首位に浮上したのは一貴。ファイナルラップに国本はピットに向かったため、2番手は山本となる。しかし、雨は一気にコースを濡らし、山本は残り2周のシケイン、1コーナーでオーバーランを喫してしまう。ドライでは1分37秒台が出るSF13が、2分18秒というラップタイムほどペースが落ちる中、2番手に小暮が上がり、山本のすぐ背後には平川、アンドレア・カルダレッリ(KYGNUS SUNOCO)が迫った。
雨のファイナルラップ、スリックでまったくコントロールが効かない中、山本は必死の奮闘でポジションを守る。3位ならチャンピオンだが、4位ならチャンピオンはない。コントロールラインまで必死の攻防が展開されたが、山本はなんとか3位を守りきりチェッカー! これでアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)と同ポイントに並び、1大会でのポイント獲得数で上回り見事大逆転で2013年のチャンピオンを獲得した。レースの優勝は一貴。2位は小暮となった。なお、チームタイトルはPETRONAS TOM'Sが獲得している。