ニッサン/ニスモは27日、2014年のル・マン24時間耐久レースに“ガレージ#56”枠から出場予定のニッサンZEOD RCに搭載する、1.5リッター3気筒直噴ターボエンジン『DIG-T R』の画像を公開した。
革新的な環境技術を志向したマシンに与えられる特別枠、ガレージ#56に出場予定のニッサンZEOD RCは、電気自動車のリーフをベースとしたレーシングカー、LEAF NISMO RCの開発を通じて蓄積した技術を活用。ル・マン24時間の舞台であるサルト・サーキットを電力だけで1周走行できる技術を備えている“ゼロ・エミッション・レーシングカー”だ。
電気駆動を支える回生装置を備えるZEOD RCは、ドライバーがマシンに搭載された電力駆動と1.5リッター3気筒直噴ターボエンジンの駆動を切り替えることが可能。EVモードで1周走行した後、エンジン駆動に切り替え回生を行い蓄電、再びEVモードで戦うことができる。
そんなZEOD RCは、ベン・ボウルビーが設計した非常に高いL/D値をもつボディをもつが、今回公開された1.5リッター3気筒直噴ターボエンジン『DIG-T R』もまた驚異的な小ささと軽さのエンジンに仕上げられた。
公開された『DIG-T R』は、重量わずか40kg。エンジンのサイズは全高500mm、全長400mm、幅200mmと非常にコンパクトながら、400馬力を発生。ニッサンは「主要航空会社で機内持ち込みができるサイズ」とアピールしており、ニスモの宮谷正一社長が笑顔で抱える写真が公開されている。また、パワー・トゥ・ウエイトレシオは今季から新パワーユニットとなるF1で使用されるエンジンよりも優れているという。
「我々のエンジンチームは内燃機関の世界で注目に値すべき仕事を成し遂げた。我々はニッサンZEOD RCの電気駆動部分がル・マンで話題になるだろうということは分かっているが、それに組み合わされるガソリンエンジンも同様に衝撃を与えるだろう」と語るのは、ニッサン・グローバル・モータースポーツダイレクターのダレン・コックス。
「ニッサンは、主要な国際的なモータースポーツで3気筒エンジンを使用する最初の主要自動車となる。我々はダウンサイジングに集中する業界のリーダーであろうとしている。これらのエンジン開発から得られるものは、将来の市販の日産車で見られるものだ」
また、今回のエンジンの公開に合わせて、特筆すべき記載がニッサンのプレスリリース内に記された。
「この革新的なレースカーの開発で学んだものは、ニッサンがエントリーを検討しているFIA世界耐久選手権のLMP1クラスの開発にも使われる」
Nissan ZEOD RC Making #2: Engine