FIAがF1チームに対してリアクティブサスペンションシステム禁止の意向を示したのは、このシステムが空力パフォーマンス向上を目的としたものであるとみなしたからであるといわれている。
ロータスとフェラーリは、ブレーキング時のライドハイトを最適な形に維持するシステムを開発しているといわれていたが、先週金曜、FIAはF1各チームに対し、このメカニカルコンセプトをマシンの空力パフォーマンス向上のために使用すれば規則違反とみなされるだろうとの見解を通知した。
ロータス(昨年のロータス・ルノーGP)が考案した、ブレーキトルクにより働くハイドロリックデバイスのアイデアに対し、FIAは昨年1月の時点では許可を与えていた。
FIAから承認されていた当時のロータスのシステムは、純粋にサスペンションに関連するデバイスで、ライドハイトを維持することを目的としたものであり、ライジングレートスプリングの高性能版としての効果しか持たないものとみなされていたようだ。
しかしロータスが昨年のアブダビ若手テストで試した後、ライバルチームがこのデバイスの合法性についてFIAに問い合わせたため、FIAはこのシステムのコンセプトについてより深く調査することを決めた。
その結果、このサスペンションシステムの主な利点は空力パフォーマンスの向上にあることが明らかになった。FIAは、これはサスペンションパーツの長さの変化とブレーキキャリパーの通常ではない動きを使用したシステムであり、こういった変化がマシンの空力パフォーマンスを向上させると考え、そうであればF1テクニカルレギュレーション第3条15(可動の空力デバイスを禁止)に違反するものと判断した。またこれはサスペンションの規則にも違反する可能性があるとみられる。
FIAはこのデバイスは違法になるだろうとの見解を明らかにしたが、実際に違法であるかどうかはレーススチュワードの判断に委ねられるため、チームが今後もシステム開発を推進することは可能だが、それは現実的ではないと思われる。