「実はSS2の直前に大事な眼鏡を失くしてね(笑)。前がよく見えないばかりか、片眼だと距離を測るのにも苦労したよ」と衝撃の事実を明かしたオリバー。

「父が発見してくれたんだけど、残念ながら誰かに踏まれた後だった。だからまったくリスクを負わずに楽しんだんだ。タイヤ管理を中心に基本的なターマック・ラリーの作法全体を理解し、可能な限り学ぶことに専念した。でもタイムは僕の想像以上に良かったよ」

 4番手にルーマニア国内選手権チャンピオンのシモーネ・テンペスティーニ(シュコダ・ファビアR5)、5番手に元ドイツ王者でWRC2優勝経験もあるファビアン・クルム(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)、そして今季からTeam MRF Tyresの開発ドライバーとしてERC復帰を果たしたブリーンのトップ6で夜を明かした一行は、気温30度越えを記録した酷暑のレグ2(デイ2)へ。

 ここでスパートを開始したのが前年度勝者のバッソで、最初の2ステージでベストを記録し首位ルカヤナクとのマージンを削っていく。しかしこの日の“ロシアン・ロケット”は落ち着いた対処を見せ、ここを2番手タイムで切り抜けると、その後も無用なアタックを避けてマージンをコントロール。最終ステージのキャンセルもあり、16.1秒のギャップを残してERC通算10勝目を飾ってみせた。

「このレグ2は長くとてもタフで、本当に暑い1日だった。自分たちのパフォーマンスには満足しているし、この困難な時期の多大なる支援にも感謝している。制御されたドライブができ、このロックダウン中にも気持ちと能力を失わなかったのを確認できてうれしい。それに新コドライバーのドミトリーがいてこその結果だね」と満足げに振り返ったルカヤナク。

 2位バッソに続き、3位に入ったオリバーがERC1のクラス優勝を獲得。そして4番手にはSS13でスピンを喫したテンペスティーニを1.3秒差でかわしたブリーンが入り、インド製ラリータイヤの進捗確認と貴重なデータを手にしている。

 続く2020年ERC第2戦は、ラトビア西部を舞台とした高速グラベル・イベントの『ラリー・リエパヤ』が8月14~16日に争われる。

オリバーは初のフルターマック挑戦ながら3位に入り、ERC1のクラスウイナーにも輝いた
MRFとのERC初戦が厳しいターマック戦となったものの、最後の最後で4位浮上を果たしたクレイグ・ブリーン
キャラクターとは似つかわしくない、落ち着いたラリー運びで勝利したルカヤナク。ローマ2勝目、ERC通算10勝目を飾った

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