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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2021.06.01 12:15
更新日: 2021.06.01 11:48

エクストリームE第2戦は宿敵ハミルトンのX44を下し、ロズベルグのRXRが開幕2連勝を達成

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ラリー/WRC | エクストリームE第2戦は宿敵ハミルトンのX44を下し、ロズベルグのRXRが開幕2連勝を達成

 しかしここからレースは波乱続きの展開となり、ミカエラのマシンは接触の影響からか右リヤタイヤに異変が生じ、彼女が1コーナーに到達した時点で右リヤアクスルは完全にあさっての方向を向くトラブルで戦線離脱。

 失速したJBXEのマシンをかわして首位争いを繰り広げながら右のターン1に突入したX44とRXRの2台も交錯し、アウト側にいたX44のクリスティーナ・グティエレスがコースから弾き出され、自走不能でそのままレースを終えてしまう。

 これで楽になったのがRXRのテイラーで、かつてスバルWRX STIをドライブして女性初のオーストラリア・ラリー選手権チャンピオンに輝いた彼女は、大量リードを維持したままドライバー交代のミックスゾーンへと戻ってくる。

 しかしここで車両回収などを目的にレースは赤旗中断が宣言されると、勝負はRXRのクリストファーソンvsサラザンからバトンを受けたチャドウィックの1周スプリント対決に。

 海岸線への“ドラッグレース”でわずかにマシンをヒットさせた2台は、この時点でWorldRX3冠王者が先行して優位に立ち、テクニカルセクションに入ると15秒ものアドバンテージを築き出して勝負アリ。開幕戦に続き現地で指揮を執ったチーム創設者兼CEOであるロズベルグも「2戦2勝なんてスゴすぎる!! 最高に幸せだ」と、ドライバーたちのパフォーマンスに喜びを爆発させた。

「誰もが知るように、この結果を過小評価すべきでない。実際にテスト機会がなく、マシンを正しく理解している人物などいないんだ。そんな難しさに対し推測して物事を理解する必要があるからこそ、僕はこのシリーズにも“F1アプローチ”を持ち込もうとしたんだ」と語ったロズベルグ代表。

「素晴らしいチームの努力で、週末を通じて本当にそれを構築、改善し、パフォーマンスを助ける結果になった。開幕ではヨハンがアドバンテージを得てモリーがゴールまで持ち帰ったが、この週末は彼女が決定機を演出した。それも男女平等の精神に合致した本当にクールな瞬間だったね」

 そうロズベルグ代表に称えられたテイラーも「勝てて本当にうれしいし、最高の週末。素晴らしい仕事をしてくれたチームと、同様に素晴らしい仕事をしてくれたヨハンに心から感謝している」と喜びを語った。

「この週末は確かに簡単でなく、やるべきことが山積みだった。最高の計画を立てていても何かを予測するのは難しいし、全セッションで改善が必要な点を解析していった。最後にそのすべてが報われた感じね!」と続けたテイラー。

「決勝のグリッド位置は選べなかったし、幸運にもインサイドからのスタートでラインとポジションを守ることに集中した。ターン1はかなりタイトで轍(わだち)も深く、途中で私たちは軽い接触もあった。でもこれは接戦のレースであり、双方に起こり得ることだと思う」

 これでチャンピオンシップではRXRが71点と大量リードを構築し、2位のX44が57点で追随。同3位には「ケビン(・ハンセン)とのドライビングスタイルは本当に似ていて、そのセットアップ一元化に集中したのが功を奏した。ジェンソン(・バトン)もこのパフォーマンスを本当に喜んでくれたわ」と語るコチュリンスキーのJBXEが続いている。

 レースを終えてふたたびフローティング・パドックとなる貨客船St.Helena(セントヘレナ号)に戻った一行は、8月28~29日開催の第3戦『Artic X Prix』に向け北極圏グリーンランドへの航海に出る。

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「モリーは完璧な交通整理をしてくれた。そのドライブには本当に感銘を受けたよ」とヨハン・クリストファーソン(右)
「今回は最善の努力を尽くすのが目標だったが、チーム初表彰台に貢献でき最高だ。次戦以降のドライブに繋がれば良いね」とJBXEのケビン・ハンセン(右)


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