デイ2でのマシントラブルによる大きな遅れを連日着実に挽回していったエバンスは、最終的に総合6位まで順位を上げてラリーを完走した。また、パワーステージでは2番手タイムを刻み、ボーナスの4ポイントを獲得。その結果、選手権首位のオジエとの差は44ポイントに拡がったものの、同ポイントで並んでいたライバルに対しては6ポイントのリードを築き、単独2位となった。
なお、チームは今シーズン5回目のダブルポディウム獲得と、ロバンペラとエバンスによってもたらされたボーナスポイントにより、マニュファクチャラー選手権における対ライバルメーカーのリードを57ポイントに拡げることに成功した。
「正直なところ、今週末は優勝を期待していなかった」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racing WRTを率いるヤリ-マティ・ラトバラ代表。
「すべてのドライバーがスタート直後からパフォーマンスを発揮してくれたことにとても満足している。とくにカッレ(・ロバンペラ)は驚くような速さだったし、週末を通じてとても冷静で成熟した戦いをする姿を見てうれしく思った」
「セバスチャン(・オジエ)は今回も素晴らしいパフォーマンスを見せてくれ、チャンピオンらしい走りで彼自身とチームのチャンピオンシップのためにポイントを獲得してくれた」
「エルフィン(・エバンス)は、残念ながらラリー序盤でトラブルに見舞われたが、そこから挽回しパワーステージでは見事な走りを見せてくれた」
「頑張って戦ってくれたチームの全選手を誇りに思う」
8年ぶりの開催となったアクロポリス・ラリー・ギリシャを終えたWRCの次戦は、10月1~3日にフィンランド、ユバスキュラを中心に開催される『ラリー・フィンランド』だ。シリーズを代表するハイスピード・グラベル(未舗装路)ラリーである同イベントでは2017~19年にかけてトヨタが大会3連覇を記録。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となったため、来月初旬のホームイベントでは1年越しでの4連覇が懸かる。