毎年6月、ル・マン24時間レースの開催されるサルト・サーキット。常設トラックと一般道を組み合わせた1周13km超のロングコースには多くのマーシャルポストが点在しており、当然ながらそこでは相当数のコースマーシャルが仕事に就いている。

 その中のひとりが、ドイツ人のカーステン・ヴェルナー氏だ。長年ル・マンをはじめ、MotoGPなどでコースマーシャルに従事してきたヴェルナー氏とザビーネ夫人に、ナゾに包まれた世界最高峰の24時間レースの仕事体制やコースマーシャルの舞台裏について、彼の勤務先でもあるDEKRAラウジッツリンクで聞く。

 ヴェルナー氏の経歴と現在のマーシャル業務のアウトラインについて聞いた前編に続き、今回の後編ではル・マンでのマーシャルの仕事の実際について、深堀りしてみよう。

■『4時間実働、8時間休憩』。2024年のSCは「地獄」

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