4時間目に入り、アルピーヌとグリッケンハウスによる2番手争いが接近するなか、36号車はラピエールへ、709号車はデュマへ、7号車は可夢偉へと交代。3時間30分経過を前に8号車トヨタはまたしてもガレージに入れられ、燃料系パーツの交換に入った。
トップを走る可夢偉の背後には、わずか13秒という差で36号車アルピーヌのラピエールが続く。ラピエールの約10秒後方では709号車グリッケンハウスもデュマの手により順調に周回を重ねていった。4時間経過を前に、36号車は5回目のピットへと向かう。
そして4時間が経過した直後、順調にレースを運んでいたトップの7号車トヨタにアクシデントが。突如スローダウンすると、可夢偉はアスカリシケイン手前のコース脇にマシンを止めた。どうやらエラー・メッセージが表示されたようで、システムをオフ/オンした可夢偉は、しばらくして再び動き出す。
これでトップに立った709号車は、次の周にピットへ。この間に可夢偉が首位を奪い返すと、今度はここまでトラブルフリーだった709号車がルーティン作業後にガレージへと入れられてしまう。グリッケンハウスは2台が同時にガレージで修復を受けることとなった。
4時間11分、7号車可夢偉がピットへ。右リヤタイヤのパンクがあったようで、タイヤも交換する。この間に36号車ラピエールがトップに立ち、7号車トヨタは47秒差で続くこととなった。なおこの直後、修復を終えた8号車が中嶋一貴の手によりコースへと戻っている。
4時間37分、36号車が6回目のピットへ向かい、バキシビエールが再びコクピットへ。トップ可夢偉から36号車までは約50秒となる。
可夢偉は4時間58分経過時点で36号車との差を約64秒に広げ、5時間ちょうどのところで6回目のピットイン、コンウェイへと交代する。この間に36号車が首位に立ち、14秒差で7号車コンウェイが追う展開となった。
これで36号車アルピーヌがあと1回、ほぼフルサービスに相当するピットが必要なのに対し、7号車トヨタは燃料スプラッシュが1回必要という状況に。
残り50分、2台のギャップは10秒程度。そこからコンウェイは差を詰めていくが、残り40分となった1コーナーでブレーキロックによりエスケープロードを直進してしまう。直後に36号車が最後のピットへと向かい、7号車がトップへ。36号車は燃料補給のみでコースへと戻り、7号車コンウェイからバキシビエールまでの差は約56秒となる。
残り35分、デブリ回収のためこのレース2度目のFCYが導入される。ここで7号車は燃料スプラッシュのためのピットへと向かうと、合わせてバイブレーションが報告されていた右フロントタイヤも交換、首位をキープしたままコースへと戻り、FCY解除を迎えた。
FCY中にピットインできたおかげで50秒というマージンを手にした7号車コンウェイだったが、最後のピット作業の際、装着する前に準備していたタイヤがピット作業エリアのラインを超えていたかどうかが審議の対象に。しかしこれは警告を受けるのみで済み、コンウェイはリードを保ったままトップチェッカー。7号車の3人が今季初優勝を挙げた。
2位には60秒差で36号車アルピーヌが入り、途中ガレージインもあった709号車グリッケンハウスがクラス3位/総合4位。トヨタ8号車は修復後も走行を続け、43周おくれの総合33位でフィニッシュしている。グリッケンハウスの708号車はリタイアとなった。
チームとしては開幕3連勝を飾ったトヨタだが、レース中に多くのトラブルに見舞われたことで、次戦ル・マンに向けて課題を残す結果ともなった。