6時間のレースの終盤、ハートレーとチームメイトの可夢偉は8号車の最後のピットストップの後、ラディオンで“後に審議対象となる”印象的な順位変動に巻き込まれた。
ハートレー駆る8号車は、先にピットインしていた7号車の前でコースに復帰したが、“キウイドライバー”がタイヤを暖めている間に可夢偉が急激にその差を詰める。TGRのチーム代表を兼務する7号車のドライバーは直後にハートレーに追いつくと、ラディオンのコース外、右側のランオフエリアからチームメイトを抜き去る荒々しいオーバーテイクでトップを奪った。
TGRのテクニカル・ディレクターであるパスカル・バセロンは2台の動きについて、ハートレーがアウトラップで細心の注意を払っていたため、可夢偉は2台のスピード差にやや不意をつかれたと説明した。
「可夢偉は驚いていたよ」とバセロン。「ブレンドン(・ハートレー)はニュータイヤでとても慎重に走っていた。我々はそれが重要なことだと知っている」
「(予選の後で)ブレンドンがとくに慎重になっていたのも理解できる。それに対して可夢偉は少し驚いていて、彼がコースアウトするのを避けなければならなかった」
「私たちはすぐに、可夢偉がブレンドン(との速度差)に驚いていたことをレースディレクションに伝えた。我々には問題がなかったこともね。だが、彼らは(7号車に)5秒のペナルティを課した」
ハートレーは、直前のピットストップで交換した2本のタイヤの温度が上がっていないことから、チームメイトに抜かれることは予想していたという。
「左側のタイヤが冷えている状態でピットアウトしたので、邪魔にならないようにしようと思っていた。彼が後ろに迫っていたら僕を追い抜いていくだろうと予想してたからね」と振り返った。
「予選の一件以降、このようなリカバリーが見られたことは非常に喜ばしいことだと思う」
「昨日も言ったけど、自分だけがあんなことになるなんて思ってもみなかった。アウトラップでクルマを壁にヒットさせるなんて、かなり馬鹿げていると感じていた」
「でも、この寒いコンディションはとてもトリッキーだった。一部ではまるで(路面が)氷のようなところもあったんだ」
