──1枚目ですっかり盛り上がってしまいましたが、続いて2枚目にいきましょうか。これは2枚でひと組といいますか、同じ一連の流れのなかから2枚、選んでもらいました。
後藤:同じGRスープラコーナーで、さっきの写真の先の方ですね。これは、やっぱりいろいろなパターンを撮りたいなと思って。ここに赤い服を着たダンディライアンファンの親子がいらっしゃったのですが、本当はそこにダンデの白いマシンを絡めたかったんです。
小林:そこまで考えてたんですね。手前に立っているお客さんを入れることによって、マシンの動感を出すというのは良い手法だと思います。ただ……ちょっと写真が暗くない?
後藤:やっぱりそうですか(汗)。そうですよね、もうちょっと明るい方がいいですよね。
小林:まぁそれは補正で少し明るくしてあげればいい話だけど。
──とくに38号車のカットは、クルマの位置が斬新だな、と感じます。
小林:64号車のカットは、すっと理解できる。でも38号車の方は……別にアリだとは思うけど、(人物の)かかり方がちょっと気になるというか。
後藤:まぁ、そうですよねぇ……。
──後藤さんとしてはこれ、狙ったとおりの位置にクルマが収まっているんですか?
後藤:いや、これお父さんかお子さんか、どちらかが動いたのでこういう構図になったというか。この写真は自信作というよりも、「どうなんでしょう?」という気持ちで持ってきたんです。
小林:まぁ好みだからね。綺麗に流れていてピントが合っていれば、写真として成立していると思う。あとは好きとか嫌いとか気持ちいいとか悪いとか、人それぞれの話だから。ただ僕としては、すっと入っては来ないかなぁ。
後藤:うーん(笑)。もし同じ場面だったら、先生ならどう料理されますか?
小林:まぁ、ちょっと(クルマが人物に)かかりすぎかな。64号車のカットの方が、マシンの両側に人物が来ていてバランスがいいですよね。そういう部分なのかな。
──まぁでも前回に続き“スルメ感ふたたび”と言いますか、38号車のカットは「見たことない」感じで最初は入ってこないんですが、見続けていると「これはこれでアリかもしれない」と思えてきますね。だいぶレベルは高いような気もしますが。
小林:そうだね、やっぱり後藤さんはレベルが高いのかもしれない。我々の感性が追いついていないというか(笑)。でも、それこそが、いろんな人が写真を撮る面白さだからね。みんな同じなら面白くないし、その環境のなかで活かせるものを活かしながら、いろいろなパターンで撮ろうとしているのはいいと思います。
後藤:ありがとうございます!


