──今年、スーパーフォーミュラでは再生可能・リサイクル原料比率が高められた新スペックのヨコハマタイヤが導入されましたが、国本選手からはどのように見えていますか?
国本:以前よりも簡単にオーバーテイクができなくなっていると思うので、バトルが激しくなったというか、争いがもつれることが多くなったと思います。そこは面白い点ですね。ひとつのバトルがいくつものコーナーにわたって続くケースが増えたので、バトルの「駆け引き」が激しくなっているのではないでしょうか。
──今季残るは10月の富士スピードウェイでの第9・10戦と、11月の鈴鹿サーキットでの第11・12戦。国本選手としては、どんなレースを期待していますか。
国本:ヨコハマのタイヤは年間を通じて1スペック。路温が10度くらいでも、50度を超えても普通にレースができていること自体、タイヤのレベルが高いと感じます。ただ、それを使う側のチームとしては、夏が速い陣営があったり、寒い時期が速いところがあったりと、それぞれに得意・不得意があるようにも見えますね。さらに、富士と鈴鹿ではコースレイアウトも異なりますし、そのあたりで個性の違いがどう出てくるか。とくに11月下旬と寒くなる時期の鈴鹿では、タイヤのウォームアップ次第で逆転……といった可能性もあるのではないかと思っています。
──結局、最後までタイヤを使いこなした者がシリーズを制するということですね。ありがとうございました。最後にちょっとテーマを変えますが、一般道を走る際、国本選手がタイヤについて気にしている部分はありますか。
国本:たとえば雨のなか、急に人が飛び出してきた……というシチュエーションで、それを避けられるのは、やっぱりグリップが高いタイヤだと思います。ですので、自分のクルマのタイヤがいまどういう状況にあるのかは気にするようにしていますね。
僕の場合、自分のクルマを停めている駐車場の路面が、コンクリートでツルツルで、雨が降ると結構大変なんですよ。でもそこでグリップレベルを感じるようにしていて、「よし、これなら大丈夫」といった形でタイヤの状態を把握するようにしています。何かがあった際に、相手も、自分も守ることにつながるので、自分の乗り方に合わせて、ちゃんとしたグリップを出せるタイヤを選ぶことが重要だと思いますね。


