[決勝/7月16日(日)] 13号車 2位
AM8:34スタート 3時間レース(AM11:36チェッカー)ドライコンディション
Gr.2の決勝レースは、朝の8時30分過ぎのスタート。さすがに暑さはそんなでもないが、やや霧がかかるなど、何が起こってもおかしくない天候の下、レースは始まった。
3列目、5番手からのスタートとなった当チームのハチロク。スタートは小河だ。
スタートダッシュを決めたいところだったが、明らかに遅い。オープニングラップで6番手、2ラップ目には7番手にポジションを落とす。しかも、6番手のマシンに付いていくと言う感じではなく、引き離されていく。
ピット裏では「エンドレスはなにかトラブルを抱えているみたいだ」とライバルチームはささやいているのが聞こえてくる。たしかにそう思われても仕方ない。逃げる86号車が2分4秒台なのに対し、当チームのハチロクは、エースの小河がステリングを握っているのに6~7秒だったのだから……。
じつは当チーム、今回のレースではピットストップのタイミングなどで、最大限タイムロスを抑える作戦で挑んだ。もちろん、セーフティカーが入ったりすれば、この作戦は瞬時に崩れ去ってしまう。でも、ここまで追いつめられた当チームが出きるのはこれしかなかったのだ。燃料は満タン。
とにかく、小河が引っ張れるところまで引っ張る。クラストップの86号車が29ラップ過ぎに1回目のピットストップを行ったのに対し、当チームは45ラップまで引っ張った。
この1回目のピットストップで花里にスイッチ。花里にとっては、これがS耐のデビュー。とはいえ、緊張などしている暇はない。もちろん、ここで緊張してミスをするようだったら、この先のシートはなくなるかもしれない。オーナー一族でもそんなに甘くはない。エンドレスとはそういった厳しさもある。
給油はせず、タイヤ交換のみでコースに送り出す。タイヤ交換もドライバー交代もロスなく済ませ、花里は3番手でコースに戻る。目の前にはS2000、後方にはロードスター。何年も走り続けているベテランドライバーでも厳しい状況の中、花里は3番手のポジションを守ることに成功。
予定通り、5ラップを走りきったところでピットに戻ってくる。
高橋にスイッチ。当然、タイヤは交換しない。燃料は走りきるだけの量しか入れない。ライバル勢よりも少ない2回のピットストップで約40数秒稼ぎだすことに成功した。
高橋は4番手でコースに戻る。55ラップ過ぎ、トップの86号車が2回目のピットストップ。2番手、事実上のトップでコースに戻り、当チームとの差は約40秒弱。チェッカーまでの時間などからすると、1秒以上速いラップタイムで追撃しないといけないことになる。
86号車にトラブルでもない限り逆転はあり得ない。それよりは後方にいるS2000、さらにはロードスターの存在が気になる。当チームのマシンは、この時点で2分7秒台でのラップが限界なのに対し、後方にいる2台は2分5~6秒台と言う驚異的な速さで迫ってくる。
チェッカーまでの残り時間、ライバルたちとのラップタイム差……。机上の計算ではなんとか2番手を死守できる。
しかし、実際はそんなに甘くなかった。なんとか2番手でチェッカーを受けることはできたが、その差はわずか0.9秒に過ぎなかった。あと1ラップ、チェッカーが出るのが遅かったら、完全にやられていた。
いずれにせよ、今回は各自が100%以上の仕事をして守った表彰台だ。これで当チームのハチロクは、2015シーズンの岡山(第4戦)以来続いている表彰台の連続記録をゼッケンと同じ13に伸ばした。
ただ、優勝でもなかったし、絶対条件だった86号車の前でのチェッカーもできなかった。ポイント差は24ポイントにまで広げられ、自力での連覇の夢は断たれてしまった。
今回のオートポリスではやれる限りのことをやって、2番手と言う結果を残すことができたが、まだまだ、課題は多く残されている。1カ月半ある富士ラウンドまでのインターバルで、このいくつもある課題を確実に克服して……。今季、初勝利を目指す。