F1での長いキャリアを経て、今は現場から離れた生活を送っているが、豊富な情報源を持つニック・リチャーズ氏のコラム。裏情報を知る彼が、F1の政治問題をテーマに、独自のシニカルな視点で時事に切り込む。

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 この連載コラムをお読みいただいている方はご存じかと思うが、私は一年中旅行をしている人間ではない。年に1回東京に行き、2~3年に1回は海外のグランプリに出かける。その程度だ。海外に行く場合は、主にモンツァやモナコで旧友に会うのが目的であり、新しい場所でのレースや伝統的でないレースには行かないと決めている。

 でも今回は例外だった。カタールGPを見終わった直後に、とても親切で裕福な友人が電話をしてきて、4日間の日程でアビダビに行かないかと誘ってくれた。彼と選ばれた旧友たちのグループとともに、彼が所有するプライベートジェットで現地に向かうというプランだ。アブダビといえば、空港の乗り継ぎラウンジを通過したことしかなかった私だが、この話を断ることはできず、妻に相談することなく(もちろんそれはとても危険な行動と分かっていつつも)、即座に「行く」と答えた。

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