「SAIとのギャップを縮めてくれ。PALが18.8秒後方だ」
それでも3周後の33周目でもまだジョリオン・パーマーをピットウインドウの外に押し出すことができない。
MCL「PALとのギャップは19.4秒になった」
そして34周目に後方のセルジオ・ペレスがピットインしたため、アンダーカットを防止すること優先して翌35周目にピットインを決断。サインツも同時に飛び込んだためサインツ逆転が難しいことは分かっていたが、二兎を追うよりもペレスにも前に行かれてしまう可能性を潰すことを優先したのだ。
MCL「BOX now、BOX now。PER(ペレス)がピットアウトした」
あとはコース上で抜くしかない。新品タイヤを履いた直後が最大のチャンスだということが分かっていたアロンソはここで果敢に攻め、37周目のターン2~3でサインツを抜き去った。
MCL「ファンタスティックな追い抜きだ、フェルナンド! 前のPAL(ジョリオン・パーマー)は37周オールドのオプションタイヤを履いている」
スタートからピットインせず走り続けているパーマーが立ち塞がる。この時点ではまだ予選でマクラーレン以上の速さを見せたニコ・ヒュルケンベルグとも順位を争っており、警戒していた。
MCL「PALはHUL(ヒュルケンベルグ)を助けるために使われるかもしれない。できるだけ速く彼を抜こう」
43周目、各車のピットインのタイミングがズレたことでアロンソもライバルとの位置関係が見えづらくなっていた。