「3コーナーへ向かってアクセルを踏み込んでいったら、一瞬エンジンがパワーダウンしていくように感じた。適切じゃないモードになっていたんだと思う」

 とっさにロズベルグはエンジンモードを左手で切り替えたものの、すでにハミルトンとのスピード差は時速17kmにも及んでいた。

 なぜロズベルグは、ハミルトンと同じイン側へと進路を変えたのか。「エンジンモードを左手で切り替えることに頭がいっぱいで、ハミルトンが見えていなかったのではないか」と記者に指摘されたロズベルグは、こう弁明した。

「ルイスの動きは把握していた。パワーを補うためにオーバーテイクボタンを押してルイスに対抗したときだって、きちんとミラーで確認していたよ。オーバーテイクボタンは普段からよく使うから、どこにあるかなんて見なくてもわかる」

 ロズベルグの言う「オーバーテイクボタン」はトップ写真のステアリング左上に見えるオレンジ色のボタンである。そもそも、なぜ不適切なモードに陥ってしまったのかについては、チームからもロズベルグからも明確な説明はなかった。おそらくは、ロズベルグがフォーメーションラップ終了時に切り替えるのを忘れたという説が有力だ。

ニコ・ロズベルグ

 スタート時の無線による指示が禁止された昨年のベルギーGPから、ロズベルグのステアリングには多くの注意事項が書かれたシールが貼られるようになった(上写真:赤の矢印/写真は2015年ベルギーGPのもの)。このような指示はハミルトンのステアリングには見られないもので、ロズベルグがスタート時の手順を自分で行うことが苦手であるか、忘れやすいことを意味しているように思える。

 今回の一件で、ロズベルグの脳裏には「スタート時のモード切り替えを行う」ことが強く刻まれたに違いない。したがって続く数戦で同じミスはしないだろう。しかし、フォーメーションラップがやりなおしとなったり、シーズン後半に緊張した場面を迎えたときに、再び同じミスを犯す可能性は否定できない。

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