実はカルロス・サインツJr.も前走車について走った際に温度が上昇しフェイルセーフ機能でパワーが抑えられる状態を経験していた。ルノーは金曜の時点でターボとMGU-H、そして温度の問題に直面していたのだ。
しかし土曜になってもそれを解決できず、フリー走行3回目ではまたしてもガスリーのマシンが白煙を上げて野球場スタジアムに止まった。前日のハートレーと同じようにMGU-Kで再始動してピットに戻ろうとしたが、それすらできなかった。
ガスリー(以下、GAS)「エンジンに問題、エンジンに問題だ。完全にパワーを失った」
STR「安全なところに止めてくれ。何が起きたか説明できる?」
GAS「ターン12の手前でパワーを失った。その後は完全にパワーがなかった」
STR「そこで待ってくれ、調べているところだ……」
GAS「ギヤボックストラブルみたいだった」
STR「MGU-Kで再始動してピットに戻ってくれ」
GAS「ダメだ、機能しない」
STR「P1→P0、5秒待ってP1に戻す。そして5秒待ってP2、クラッチを引いてブレーキを踏んでオーバーテイクボタンを押し続けた状態でエンジンをかけてくれ。上手く行かない?」
GAS「それも機能しない」
STR「フェイルA11、それでもう1回再始動の手順をやってくれ」
GAS「もう1回言ってくれ。ダメだ」
STR「P1、P0。ジャンプアウトしてくれ、すまない」