私にとって、これはフェラーリにおけるサインツJr.の状況の鍵となる要素だ。サインツJr.の契約書は、彼をセカンドドライバーとして扱っていないことを私は確信している。結局のところ、もしサインツJr.がルクレールより速くなれたら、どうして彼を止めたいと思うだろうか?

 だが、サインツJr.の契約書には、ルクレールがタイトルを争っているときには、彼をサポートしなければならないと書いてあることを、私は100パーセント確信している。これがスクーデリア・フェラーリの過酷な現実だ。例を挙げてほしいだろうか?2008年、キミ・ライコネンは前年にタイトルを獲得して彼のマシンはナンバーワンとなった。しかしそれでもライコネンは、フェリペ・マッサがタイトルを争っているときにはサポート役に回らなければならなかった。そうするドライバーは多くないだろう!

 これがサインツJr.とアロンソの違いかもしれない。若いサインツJr.は頭脳明晰だ。サインツJr.はインタビューでも慎重で、丁寧に言葉を選び、誰とも良い関係を維持しようとしている。元世界チャンピオンのアロンソの物怖じしない性格は、フェラーリで落ち着く助けにはならなかった。この点で、サインツJr.はフェラーリで成功するかもしれない。だがひとつ明らかなことがある。もしサインツJr.が優勝したければ、彼はまず“ムッシュ”ルクレールを倒さなければならない。過去数十年で最も有望な若手ドライバーのひとりである彼をだ。

 そしてアロンソについてだが、スペインでの噂によると、彼はルノーから復帰するという。サインツJr.がフェラーリと契約してから、マスコミはこの件について報じるようになったが、今では国際的な噂となっている。私がこの噂を初めて耳にしたのは、2月のプレシーズンテスト中のことだった。

 ある人物が私に、もしアロンソが2021年にF1に復帰するとしたら、それはルノーからしかあり得ないと言ったのだ。私は笑って、それは不可能だと言った。だが数カ月後、その噂は舞い戻ってきてかつてないほど真実味が増している。そして私は、コロナウイルスの件があってもなお、我々はF1を楽しむことができることに気づいた。結局、我々はアロンソとベッテルが2021年をどうするのかについては、まだ知らないのだ……。

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