1980年代後半から1990年代初めにかけて、ホンダとアイルトン・セナはモナコGPで多くの栄冠を勝ち取ってきた。セナの死後、ミハエル・シューマッハーやルイス・ハミルトンが次々に記録を塗り替えていったなか、通算6勝というモナコGP最多勝記録は、今もセナが保持し続けている数少ないものだ。
そのほとんどの勝利をホンダF1第2期の現場エンジニアとして体験してきた田辺豊治テクニカルディレクターは、モナコGPを「全グランプリのなかでもひとつ特別なレース」と言う。なかでも1992年のナイジェル・マンセルとの死闘をベストレースに挙げていた。