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F1 ニュース

投稿日: 2021.06.04 19:38
更新日: 2021.06.04 20:20

F1第6戦木曜会見:「僕らもただの人間だ」大坂なおみを擁護するハミルトン。メディア対応時のサポートの重要性を語る

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F1 | F1第6戦木曜会見:「僕らもただの人間だ」大坂なおみを擁護するハミルトン。メディア対応時のサポートの重要性を語る

 一方のハミルトンも、バクーのレースに向けての強い決意を見せていた。「今週末の勝算は?」という問いには、「コース特性も違うし、気温も違う。なにより僕らは前回の失敗から、チーム全員が多くを学んだ。必ずしも同じ展開にはならないはずだ」と、コメントした。

 しかしハミルトンの会見で一番盛り上がったのは、大坂なおみに関するやりとりだった。テニスの全仏オープンで記者会見を拒否して1万5000ドル(約165万円)の罰金を科され、その後「長くうつ状態に苦しんでいた」とトーナメントを棄権した一件だ。

 ハミルトンは以前から、大坂なおみの人種差別問題などへの積極的な発言を称賛してきた。今回の件についてもすでにSNSで、「メンタルヘルスはジョークで済まされない問題だ。なおみはひとりじゃないことを理解すべき」と、連帯の意思を表明していた。

「同じようにメディアから常に注目を浴びている者として、大坂なおみにアドバイスはありますか」と質問されたハミルトンは、「何か有益な話や彼女の助けになるアドバイスをするのに、自分がふさわしい人間だとは思っていない」と言いつつ、時折り考え込みながら、こんなふうに話し始めた。

「なおみは超一流のアスリートだし、人間的にも素晴らしい。そして彼女の活動は信じられないほどの影響力を世界に及ぼしてきた。彼女のようにごく若いうちから世界的な活躍を始めると、両肩にいろんなものがのしかかってくるのは避けられない。そして若いがゆえに、その事実への準備はできていない」

「僕がF1に来た時もそうだった。プロモーション活動に連れ回されて、カメラに晒されて。そこでどう対処すべきか、誰かが適切に導いてくれたことは一度もなかったね。僕だけじゃなく誰もが、そういうことに何も準備できていない状態で、この世界に飛び込んできた。たくさんのミスを犯しながら、少しずつ学んでいくしかなかった。ものすごく精神的にキツいことだったよ」

 そしてハミルトンは、「自分たちも生身の人間だ」ということを繰り返し強調した。

「今後も若い人がこの世界に入ってくる時、同じような状況にさらされる。もっとサポートが必要だと思うし、プレッシャーを受けながらメディア対応をするのは間違っている。なおみに関して言えば、彼女を攻撃する人々は、なおみがひとりの人間であることをまったく考慮していない。本当に馬鹿げているし、彼女をサポートするべきだ」

「そしてF1を戦う僕らも、いつも自分の限界を押し広げる努力を続けている。そんなときは、精神的にも限界なんだ。そんな僕らも、ただの人間なんだよ」

キミ・ライコネン(アルファロメオ)&ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP キミ・ライコネン(アルファロメオ)&ルイス・ハミルトン(メルセデス)


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