■評価 6/10:戦略とペナルティでポイント圏内から遠ざかったガスリー
ランド・ノリス(マクラーレン):予選4番手/スプリント7番手/決勝リタイア
周冠宇(アルファロメオ):予選17番手/スプリント13番手/決勝12位
アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):予選11番手/スプリント リタイア/決勝15位
ピエール・ガスリー(アルファタウリ):予選12番手/スプリント10番手/決勝14位
ランド・ノリス(マクラーレン)は予選で輝き、難しいコンディションを彼がどれほど得意としているかを改めて示した。ただ、彼は水曜から食中毒に苦しみ、体力不足のなかでの戦いを強いられていた。そのために判断力に欠けるところがあり、スプリントではあやうくサインツとクラッシュしかけ、日曜決勝ではルクレールをコース外に弾き飛ばした。パワー低下によりリタイアとなったが、それは彼にとって悪いことではなかっただろう。この日の彼には71周を走り切るだけの体力があるとは思えなかったからだ。
インテルラゴスを初めて走った周冠宇(アルファロメオ)だが、予選でボッタスより速いタイムを出した。とはいえふたりともQ1で敗退したのだが。ボッタス同様、スプリントでスタートシステムの問題で後方に落ちたが、その後の挽回は見事だった。日曜決勝では1周目にボッタスに抜かれ、チームメイトほどの速さを見せられず、早めにピットストップを行うという戦略も助けにならなかった。
アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は、予選11番手と素晴らしい結果を残したが、その後はすべてがうまくいかなかった。スプリントではアルピーヌのクラッシュによるデブリによりリタイア。決勝を最後尾グリッドからスタートする羽目になり、マシンのフィーリングも変わってしまったことで、フラストレーションが溜まる午後を過ごすことになった。
ピエール・ガスリー(アルファタウリ)は、予選とスプリントで優れたパフォーマンスを発揮、ポイントに届きそうに見えたが、日曜決勝では戦略がまずく、2回目のピットストップを行うのが早すぎたこと、ピットレーンのスピード違反により5秒ペナルティを受けたことで、トップ10には届かなかった。
■評価 5/10:苦しい週末を送る角田に追いうちをかけたFIAシステムの問題
ミック・シューマッハー(ハース):予選20番手/スプリント12番手/決勝13位
角田裕毅(アルファタウリ):予選19番手/スプリント15番手/決勝17位
ミック・シューマッハー(ハース)の予選は悪夢のようだった。彼が最下位に沈んだ時にチームメイトがポールポジションを獲ったのだから。だがシューマッハーは冷静さを失わず、スプリントで8つポジションを上げた。残念ながら日曜決勝ではペースを維持できず、ポイント圏外でレースを終えた。
角田裕毅(アルファタウリ)にとっても悲惨な予選だった。タイヤをうまく機能させることができず、19番手に沈んだのだ。スプリントでも決勝でも状況は改善しなかったため、ずっと下位を走り続けた。その上、FIAのタイミングシステムの問題で、彼だけがセーフティカー出動時にリーダーたちと同一周回に戻ることを許されず、ウイリアムズ2台の後ろに落ちて、最下位という結果になった。
■評価 4/10:チームメイトを尊重しないストロール
ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ):予選16番手/スプリント19番手/決勝16位
ランス・ストロール(アストンマーティン):予選15番手/スプリント16番手/決勝10位
ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)にとって、長く辛い週末だった。FP1でのスピン以後、ダメージを負ったマシンで走り、日曜決勝では新パーツを入れたものの、それでもパフォーマンスは改善しなかった。
ランス・ストロール(アストンマーティン)は最終スティントでベッテルの前に出ることを許されたが、ボッタスを抜くことができなかったにもかかわらず、ポジションを返さずに、1ポイントを自分のものにした。さらにスプリントではチームメイトを芝の上に押し出すという行為によりペナルティを受け、ペナルティポイントが合計8まで増えてしまった(12点で1戦出場停止)。ベッテルは、来年彼と一緒に働かないことに関しては、決して悲しむことはないだろう。
■評価 2/10:明るい兆しが消えたリカルド
ダニエル・リカルド(マクラーレン):予選14番手/スプリント11番手/決勝リタイア
ダニエル・リカルド(マクラーレン)のパフォーマンスには最近明るい兆しが見えていたが、それがインテルラゴスで消えてしまった。週末を通して精彩を欠き、体調不良のチームメイトより遅かった。決勝1周目でマグヌッセンにヒットした結果、彼にとって最後のグランプリになるだろうアブダビで、3グリッド降格ペナルティを受けることになってしまった。