■FIAが懸念する、プリロードシステムの危険性

 ホワイティングが否定的な考えを示した主な理由は、こうしたシステムの潜在的な危険性にあると考えられている。

 彼は、プリロードモードでドライバーがエンジン回転数を下げすぎた場合、あるいはスロットルのフェイルセーフの閾値を超えてしまった場合には、アンチストールが作動して、クルマがグリッドから発進できないリスクがあることを指摘したという。

 また、このプリロードスタートのアイデアを許可すると、スロットルのフェイルセーフリミットの無効化や、急進的なクラッチの開発といった形で、開発競争が激化することへの危惧もあったようだ。

 ホワイティングの意見が示されたことにより、おそらくどのチームもこのスタート手順を使おうとはしなくなるだろう。ただ、彼が提示できるのは、あくまで「意見」でしかない。クルマに搭載されたシステムやデバイスの合法性について、最終的な判断を下す権限は各イベントのレーススチュワードにあるのだ。

 したがって、どこかのチームがホワイティングの意見を無視し、違反とされるリスクを承知の上で、この種のシステムを用意してくる可能性もないとは言えない。

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