メルセデスに唯一起きた不安なトラブルは、第2回合同テスト初日の午前、ハミルトンの走行中に発生したフロアのダメージだ。朝から温度が高まるコンディションで彼はトラブルを訴え、4時間のセッションで49周にとどまった。

 これはトラブルが相次いだマクラーレン・ホンダのストフェル・バンドーンが午後のセッションで周回した46周並で、メルセデスとしては非常に珍しい事態だ。スピンなど喫していないのにフロアにトラブルが起き、エアロバランスが狂った事象から、この日試したアップデートが機能しなかったと読みとれる(むろん、チームは一切のコメントを出していない)。

 合同テスト1回目はボッタスが1分19秒705(タイヤはウルトラソフト)で首位。2回目は1分19秒310(スーパーソフト)を記録し、3番手タイムでしめくくったメルセデスの伸び率は、それほどでもない。ひょっとするとその真因は“トリックサスペンション疑惑問題”の絡みなのか、それを外したシステムを試みたのか。

 FIAがサスペンションに関する規定解釈基準を全チームへ通達して以降、彼らのペースが停滞気味になったことに気付く。しかし、それでもレースシミュレーションでのペースはまずまず。17年シーズンの基本戦略として、彼らは予選より決勝重視策にシフトしたのかもしれない。

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