WEC世界耐久選手権のLMP2クラスに参戦し、中野信治もドライバーとして名を連ねているミレニアム・レーシングが、資金的な問題により今週末に開催される開幕戦シルバーストンを欠場することになったと英AUTOSPORT.comが伝えている。
デルタADRのオペレーションのもと、2台のオレカ03・ニッサンで今季WECのLMP2クラスにフルエントリーしているミレニアム・レーシング。22号車にファビアン・ジロワ/オリバー・ターベイ/ジョン・マーティン、23号車にステファン・ヨハンソン/マイク・コンウェイ/中野信治を起用し、開幕戦のエントリーリストにも名を連ねていた。
3月末の公式テストにも参加していたミレニアムだが、英AUTOSPORT.comによると、モータースポーツや自動車開発の分野への投資を行っている親会社のOMDからの支払いの遅れによって、開幕戦を欠場することになったという。
「予算は3月末にまでに送金されるはずだった。ただ、不運なことに(チームを取り巻く)状況が、シルバーストンまでの時間的な制約の中で契約が履行されるのを阻んだ」とチームの声明には記されている。
「OMDの資産は、主要な国際銀行にOMDが合法的に所有している口座の中に、2014年1月7日に預け入れられた。それ以来、いくつかの国際機関がOMDの動きを阻害し始め、行政的な手続きが続いている」
声明によると、国際法廷はOMDによる資産の所有と使用の合法性を認めており、国際銀行に対してそれらの資産を解放するように指示しているという。この決定は現在行政上の処理が進んでいるということだ。
OMDの常務取締役、バートランド・バロアは次のように語っている。
「OMDは数日中に契約を履行することができる。ミレニアムのプログラムも含まれており、すぐに計画に従ってスタートすることができるだろう」
「このプログラムは我々の将来的な発展にとって非常に重要なものだ。次のステップを楽しみにしている」
また、チームプリンシパルのサイモン・ドーソンは、「我々のプログラムは常に長期的なパートナーシップに基づいている。シルバーストンを欠場することは残念だが、将来的な計画に対してはポジティブなままだよ」と語っている。