2019年にオートスポーツweb現地特派員としてWRC世界ラリー選手権第10戦ドイツと第11戦トルコの模様を伝えてくれた、ラリー好きのグラフィックデザイナー『CHOCO CIDER』さんが約2年ぶりに現地観戦を再開。2001年からシリーズをフォローする生粋のラリー好きならではの目線で、ふたたび現地の雰囲気をお届けします。
今回は<前編>に続きまして、2年ぶりの開催となったWRC『ラリー・スペイン』の土曜デイ2、そして最終日デイ3の観戦記を、現地の町並みや選手たちの表情を捉えた写真を交えながら存分に伝えてもらいます。(※前編から日が開いてしまい申し訳ありません)
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土曜日はサロウから北へ1時間のSS7 Savallaへ。コネサという小さな街横を通るヘアピン付近で観戦します。
実は数年前に一度訪れたSSですが、その際は完璧なまでの雨。足元もぐちゃぐちゃで寒くて冷たい思いをしながらSS脇で待機していたら、まさかのステージキャンセル。人生初のキャンセルを喰らい、メンタル的にダメージを受けたため、その日はもう午後の観戦も諦め、レストランでゆっくりランチを摂って1日を終えた、という曖昧な経験があったので、今回は数年前のリベンジでもあります。
美しいコネサの街並みをバックに観れるはずのステージですが、霧に覆われて街並みもまったく見えず。ワインの産地と伺いましたので、このモイスチャーは美味しい葡萄を育てるために必要不可欠とのこと。文句は言えません。
SSスタートが8時44分、日の出がサロウ辺りで8時頃ですが、山腹地帯なので、日の出はより遅いかと予測。時計と空模様を伺いながら、ラリーカーを待ちます。
この日トップバッターで走る勝田貴元選手(トヨタ・ヤリスWRC)。時間が経つにつれて霧は晴れていく傾向なので、スタート時間が早い先頭バッターは不利な気がします。
この日4番手スタートだったガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)が走る頃には、すべてのドライバーはヘッドライトを消しての走行に。12分ギャップでも視界にはかなり差異がありそう。
しばらくすると、前方に揺らめく陰が……。壁にハシゴをかけて、屋根の上から観戦するおふたり。屋根からの眺めはどのような感じなのか気になります。
スタートから1時間程経過して、ようやく霧に覆われていた街並みが顔を出してくれましたが、主要ドライバーは既に走り去った後。
只者ではなさそうな雰囲気を醸し出す、マーシャルのお父さん。葉巻のようなタバコが渋いです。
一部の観客は、この街を通り抜けてSSと各自の駐車ポイントをアクセスします。
街中の猫たちも人に寄ってくるほど人懐こいので、この街の平和さが窺えます。
午後はコネサの街から4km北上。午前と同じステージ“Savalla”での観戦です。
SSコース上には落書きが。なんだかんだ、“王者”セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)の人気は高いですね。
SSはブラックベリーの並木道。誰も収穫しないので干からびかけています。もったいない……。
こちらはおそらく以前、観客が残したらしき落書き。上から黒く塗りつぶされているので、やはり地元の方にとっては迷惑行為なんだと気付かされます。
家族ぐるみのピクニック、なんとも微笑ましい光景です。開放的で綺麗な景色のなか、ついでにラリーカーも観れるので最高のロケーションですね。
SSスタート14時ごろになると時折、太陽の光が差し込むほどにお天気は回復。このまま明日に向けてどんどん回復してほしいなぁ……と思いながら、本日のSSを後にします。
スペインではあまりラフロード上を移動することはありませんが、この日はギリシャ以来の悪路移動です。この先はさらに悪路なので毎回、パンクや、オイルパンが割れやしないかヒヤヒヤものですが、シトロエンC3にムチ打って、サロウへ戻ります。