マイク・コンウェイの負傷により、ル・マンの直前にドライバーラインアップの変更を強いられたTOYOTA GAZOO Racingで、テクニカルディレクターを務めるデイビッド・フルーリーは、日本メーカーが一貫して支持を表明してきたパワーゲインの導入を歓迎すると語った。

 小林可夢偉とニック・デ・フリース、コンウェイの代役としてチームに復帰するホセ-マリア・ロペスが駆る7号車と、現WECチャンピオントリオのセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮がシェアする8号車、この2台のGR010ハイブリッドは、パワーゲイン・システムで0.9パーセントの追加パワーが与えられる4台のうちの1台で、トヨタの場合は4.6kW(約6.2PS)に相当する。

「論理的にはもっと早く導入される可能性があったので、パワーゲインはここ(ル・マン)でも来ないだろうと思っていた。しかし、少なくともこの要素については満足している」と語ったフルーリー。

「スパの後、それが必要だと認識されたようだね」

 しかし彼は、パワーゲインのしきい値が250km/hに引き上げられたことには、「より驚いた」と述べた。

「以前は210km/hと記載されていたので、それが変更されたことは追加の驚きだった」

 一方、トヨタのチームディレクターであるロブ・ルーペンは、パワーゲインを含むハイパーカーBoP(性能調整)に関するSportscar365の質問に対し、コメントを拒否している。

出力アップのトヨタは歓迎、牙を抜かれるフェラーリは「影響必至」。ル・マン24時間で初導入の新性能調整システム“パワーゲイン”の捉え方
TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタGR010ハイブリッド
出力アップのトヨタは歓迎、牙を抜かれるフェラーリは「影響必至」。ル・マン24時間で初導入の新性能調整システム“パワーゲイン”の捉え方
フェラーリAFコルセの50号車と51号車フェラーリ499P

■ハイパーカークラスBoP(5月31日付)
2024年WEC世界耐久選手権第4戦ル・マン用

マシン PF 最低重量 最高出力 パワーゲイン
≧250km/h
最大エネルギー量 Fr.ERS作動速度
(Dry/WET)
アルピーヌA424 LMDh 1038kg(-7) 507kW(-6) 0.9% 903MJ(-10) ――
BMW MハイブリッドV8 LMDh 1039kg(+1) 508kW(-2) 0.9% 904MJ(-3) ――
キャデラックVシリーズ.R LMDh 1036kg(+6) 509kW(-7) 0.0% 900MJ(-9) ――
フェラーリ499P LMH 1043kg(-10) 508kW(+2) -1.7% 889MJ(-16) 190kph/190kph
イソッタ・フラスキーニ
・ティーポ6-C
LMH 1048kg(-12) 515kW(-5) 0.9% 915MJ(-8) 190kph/190kph
ランボルギーニSC63 LMDh 1039kg(+4) 519kW(+5) -1.6% 904MJ(-4) ――
プジョー9X8 LMH 1047kg(-18) 508kW -0.7% 895MJ(-15) 190kph/190kph
ポルシェ963 LMDh 1042kg(+5) 511kW(+4) 0.0% 904MJ ――
トヨタGR010ハイブリッド LMH 1053kg(-11) 508kW(-7) 0.9% 906MJ(-11) 190kph/190kph

※()内の数字は前戦比

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