「そう、大きな問題はその予算規模なんだ」と続けたショーナック。「もしハイパーカーに参入すれば、高額なバジェットが必要になる。でも、もしグローバルプラットフォーム(LMDh)に参入する場合は、はるかに低いバジェットで済むんだ」

「これは、現状の自動車メーカーには魅力的に映るだろう。彼らはふたつの疑問を抱えている。『我々のクルマはル・マンとデイトナで勝つことはできるのか?』、答えはイエス。『予算はハイパーカーよりはるかに低い?』、その答えもイエスだ」

 オレカのテクニカルディレクターであるデビッド・フラウリーは、昨年にもLMH規定に向けたフィジビリティスタディ(実現可能性調査)を実施したことを認め、プジョーとの共同開発に向けた「空力開発のコンセプト策定作業も進めていた」という。

 この新たなLMDh規定は、プジョーにとっても“数多くのチェックボックスが入れられる”最適なフレームワークだと目されているが、フラウリーもショーナックも「我々として、メーカーがどの方向に進むべきかについては、コメントすることはできない」と語った。

「この発表は、プジョー自身にとっても“どの方向に進むべきか”をまさに検討している最中に行われた」と続けたショーナック。

「彼らは今、ハイパーカーのプロジェクトに取り組んでいる。それと同時に、新たに参入するブランドのために、彼らとしてもグローバルなプラットフォームが必要なんだ」

「現時点では、我々としてもそうしたブランドからの関心や議論に向けた連絡が数多く寄せられている。ここから6月までの数カ月間に1~3回、複数回のアナウンスができると確信しているよ」

 ショーナックとフラウリーは、オレカとして対応できるLMDhプロジェクトの数を明らかにはしなかったものの、量より品質が最優先だと強調した。

 そのオレカは、LMP2をベースとしてハイブリッド機構や大型燃料タンクに対応するための新型サバイバルセルを採用する予定のLMDhシャシーに関して、その認可コンストラクター4社のうちのひとつでもある。これに関しても、フラウリーが次のように付け加える。

「確かに、製造コンストラクターが許認可制でコスト上限のあるLMP2に基づいているため、新LMDhのコストは大幅に削減されるだろう。そしてグローバルに採用される規定で、デイトナ、ル・マン、セブリングなど、IMSAやWECなどで同じマシンを使用することができれば、マニュファクチャラーにとっても非常に良い投資となるはずだ」

LMDh規定でのマシン開発に集中すると表明したオレカ代表のヒュー・ド・ショーナック

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