WRTはアウディのLMDhプログラムにファクトリーチームの立場で取り組むことになっていたが、ボッセはそれが唯一の実行可能な選択肢である場合、カスタマーの立場で新しいプロトタイプカーを走らせることも否定していない。

 フェラーリ(AFコルセ)、BMW(IMSA/チームRLL)、キャデラック(WEC&IMSA/チップ・ガナッシ・レーシング、IMSA/アクション・エクスプレス・レーシング)など、いくつかのLMDhとLMH(ル・マン・ハイパーカー)メーカーはすでにワークスプログラムの運営チームを発表している。

 WRTがカスタマー・ハイパーカーの取り組みを追求するかどうか尋ねられたとき、ボッセは次のように答えた。

「『そうではない』と言うのは愚かなことだろう。結局のところ何が起こるか分からない。プライベーターとして『LMDhやLMHに関わることはない』とは決して言えない」

「私の目標、そして私たちのやり方はファクトリーエフォートだったはずだ。今後どうするかは(現時点では)分からない。メーカーとの取り組みでも妥協したかたちでもかまわない」

 アウディのLMDhプログラムが停まっている間、WRTはファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパで5台のアウディR8 LMS Evo IIを走らせ、開幕戦イモラですでに1勝を挙げている。

 彼らはトタルエナジーズ・スパ24時間、リキモリ・バサースト12時間、ニュルブルクリンク24時間での総合優勝など、GT3レースで長年にわたって多くの栄誉を獲得してきた。

 そんなチームが別のLMDhまたはLMHブランドと仕事をするようになれば、WRTのGT3カテゴリーにおける活動の再調整を検討する必要があるかもしれないことを確認した。

「もし今日、あるメーカーが私のところにやってきて、我々とハイパーカーで仕事をすることに興味があり、GTプログラムを彼らの方に移す必要があると言ってきたら、私はそれを考えるだろうし、それに対してオープンだ」とボッセは語った。

「今のところ、GTを含めることができるのであれば、どのような提案がなされるのかを見るためにオープンにしているんだ」

「アウディのLMDhプログラムが進まないことについては、ある種の意見の不一致と少しのフラストレーションがあるのは確かだ。しかしそれは、この12年間GTで一緒に仕事をしてきた素晴らしい人たちとは何の関係もない」

「しかし、誰が(将来が)わかるだろうか。いろいろなことが起こり得るんだ。2年前に、ル・マンに復帰するアウディのためにLMDhプログラムを走らせると言われたら、私は驚いていたことだろう」

「だから、今はもう何も驚くことはない! 私はただ、何が起こっているかを見ているだけだ。チームにとって最善の決断を下すつもりだ」

リアルチーム・バイ・WRTの41号車オレカ07・ギブソン
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