残り10分、ついにテイラーが7号車をかわして2番手に浮上。抜かれたマット・キャンベルはBMWにも逆転を許し4番手に。この時点で首位6号車ポルシェと10号車アキュラには約7秒のギャップがあった。しかし、予選最速マシンはこの決勝でもスピードを発揮し、みるみるうちにギャップが削られていく
残り時間2分あまり、いよいよ首位を走るジャミネが追い詰められた。テール・トゥ・ノーズとなった2台は残り2周となったレースのターン1に向かってストレートを走行。直後、コーナーのイン側にマシンを振ったテイラーが6号車をパスしたかに見えたが、10号車はスピードを殺しきれず左コーナーを直進しタイヤバリアに刺さってしまう。
これで勝負あり。直後に今イベント2度目のコーションが出され、レースはセーフティカー先導でファイナルラップに入ると、そのままフィニッシュを迎えた。
優勝は絶体絶命のピンチを凌いだ6号車ポルシェ。3位にも姉妹車7号車が入ったことでポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは新型LMDH『ポルシェ963』の記念すべき初勝利をワン・スリー・フィニッシュで飾っている。総合2位は前戦セブリングでも準優勝となった25号車BMW MハイブリッドV8だ。今季初優勝を狙ったコニカミノルタ・アキュラARX-06は2戦続けて最終盤のアクシデントに泣き、60号車アキュラに次ぐ総合7位でレースを終えている。
GTDプロクラスは、バッサー・サリバンの14号車レクサスRC F GT3(ジャック・ホークスワース/ベン・バーニコート組)が、スタートから一度も首位の座を譲ることなく完勝。GTDクラスではオーバーカットでポールシッターの27号車アストンマーティン・バンテージGT3(ハート・オブ・レーシングチーム)を逆転し、その後レース中盤から首位を守ったポール・ミラー・レーシングの1号車BMW M4 GT3(ブライアン・セラーズ/マディソン・スノー組が27号車の追撃を振り切って連勝を飾っている。
開幕3戦を終えたIMSAの次戦第4戦は、同じくカリフォルニア州のウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカに舞台を移し、5月12~14日に『モチュール・コース・デ・モントレー』が開催される。同レースにはLMP2カーが復帰し、決勝はシリーズのスタンダード・フォーマットである2時間40分で争われる。