次に動いたのは石浦で2位と23秒以上の差をつけて4輪交換と給油を行い2番手でコースした復帰した。レース序盤にピット作業を行っていたドライバーの中でこの時点のトップに立っていた5番手走行中のロッテラーとの差はあまりにも大きく、2番手を走る可夢偉の姿も見えない余裕のコース復帰となった。

 最後にピットイン未消化ながらも先頭を走っていた可夢偉は42周完了時にピットイン。表彰台も狙える位置でコース復帰かと思えたがタイヤ交換後のリスタートでエンジンストールしてしまう。燃料が気化してしまうパーコレーションが起きてしまったとのことで、燃料が届かないアクシデントに見舞われ、可夢偉は戦線離脱となってしまった。

 この時点で石浦がチームメイトがトラブルによりリタイアしたという不安な状況の中、2番手走行のローゼンクビストとともに2台だけ1分25秒台に入る速さを見せ、勝負を決定づける展開に。2番手を走るローゼンクビストも石浦よりコンマ1秒速い1分25秒581のファステストをマークして石浦を追うが、届かない。

 残り数周はコース上の注目は関口とガスリーの4位争いに注目が集まり、タイヤ無交換の関口を、タイヤ4輪交換のガスリーが追う展開となる。セクター3から最終コーナーで関口の背後につくガスリー。OTS(オーバーテイクシステム)を使ってスリップに入るも、関口もインを抑え、オーバーテイクを許さない。

 関口はリヤタイヤが厳しいようで、最終コーナーの立ち上がりで何度も挙動を乱しながら立ち上がる中、ガスリーは何度も背後に付くも、その後はストレートで離される展開が続き、エンジンを含めた加速の差が明らかだった。

 結局、バトルは最後の最後までもつれながらも関口が巧さを見せての4位死守。そしてトップの石浦は無事にトップチェッカーを受けて今季初優勝。昨年の第2戦岡山以来となる、1年ぶりの優勝を果たし、ポイントランキングは前戦岡山大会終了時点の4位からトップへと躍り出ることとなった。

石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)
石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)

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