2011年にピレリがF1へ参入した際、ピットストップ回数を増やすことを目的に、劣化の早いタイヤの開発を求められていた。しかし2017年に関しては、とくにドライバーから耐久性の高いタイヤを要求されている。ピレリのモータースポーツ・ディレクターであるポール・ヘンベリーによると、温度に対する反応を鈍くし、ピーキーさをなくすことで解決できるという。

 ある程度のデグラデーションは必要だが、オーバーヒートすることなく限界まで攻められるだけの耐久性と、少なくともレース中に2回のピットストップを行うという部分との兼ね合いになる。

 ブリヂストンのF1最終年度となった2010年のコンパウンドは非常に安定したものだった。当時ザウバーの小林可夢偉はハードタイヤで、バレンシアで53周ものロングスティントを走行。ヘンベリーは同様の事態が発生して、レースが退屈な展開になる可能性を指摘する。

「いくつかのレースでは、少々のリスクがある。レースが2ストップになるよう努力するが、必要性がなければ彼らはピットに入らない。それにはパフォーマンスの低下やデグラデーション、摩耗が条件になる。デグラデーションが少なく、パフォーマンスが発揮できていれば、タイヤを変えようとは思わないだろう」

「一方で、ドライバーにとって運転しやすいタイヤを作ることも目標としている。激しく攻めてもオーバーヒートしないタイヤであれば、積極的にオーバーテイクを仕掛けることができる」

 新たな設計のマシンはストレートでのドラッグがより増加し、コーナーでは失ったぶんを取り戻すかたちになると期待されている。しかし、もしもコーナリング時のグリップが期待どおりに素晴らしく「オン・ザ・レール」で曲がることができれば、ドライバーはブレーキングを大幅に遅らせることも可能だ。

 ヘンベリーは、オーバーテイクを成功させるチャンスは限られていると語る。

「誰に聞いても異なる意見が出てくる。何人かは『(オーバーテイクは)改善する』と言い、ドライバーの誰かは『絶対に改善しない』と言う。何がどうなるかについて一致した意見というものはない」

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