1989年はフェラーリにとって怒濤の年だった。予想外の開幕戦優勝もそのひとつだが、第2戦サンマリノでのベルガーの事故はF1サーカス全体に大きな衝撃を与えた。

 スタート4周目にタンブレロを直進した彼の640は、ウォールに激突。不運にも燃料がフルタンク状態だったこともあり大炎上(これもバーナードの意向で燃料タンクがコクピット脇まで延長されていたことが問題視された)。

 大事には至らなかったが、炎の中に20秒もベルガーが閉じ込められた映像はあまりにショッキングだった。

 第13戦ポルトガルではマンセルがやらかした。ピットレーンで使用が禁止されているリバースギヤを使用したことで黒旗を提示されたが、3周にわたり無視した挙げ句、アイルトン・セナに接触(撃墜)。チームには5万ドルの罰金とマンセルには1戦の出場停止が言い渡された。

 それでも前年1勝止まりだった勝ち星は、ハンガリーでのマンセル、ポルトガルのベルガーを合わせ3勝を数えた。翌年からのアラン・プロスト加入を前に大きな期待が寄せられたが、シーズン終了を待たずにバーナードはチームを離脱。最後まで英国を離れたがらなかった彼のワガママが、離婚という結末を招いてしまう。

 この3年後に両者は復縁するが(時期は1992年途中。冒頭に触れたF92Aのデビューシーズンであるが、バーナードは一切F92Aの開発にはタッチしていない)、2度目の“夫婦別宅生活”も長続きするはずがなかった。

ナイジェル・マンセルが操るフェラーリ640
ナイジェル・マンセルが操るフェラーリ640

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『GP Car Story Vol.27『Ferrari 640』
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6月9日発売の最新刊『GP Car Story Vol.36 Ferrari F92A』
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