ハリー・ティンクネル、ニール・ジャニとともにプロトンの99号車ポルシェ963に乗って2024年開幕戦のカタールでデビューするまで、トップクラスでのレース経験はなかったアンドラウアー。だが、その後は年間を通じて数々の力強いパフォーマンスで名を馳せた。

 それは、5月のスパ・フランコルシャン6時間レースでピークを迎えた。彼はレースの大部分をリードし、赤旗からのリスタート後にはオー・ルージュでアルピーヌのポール・ループ・シャタンやトヨタのブレンドン・ハートレー、小林可夢偉らを次々とオーバーテイクする走りを見せた。

 アンドラウアーは、プロトンでの2024シーズンが、ファクトリーチームへの昇格を確実にする上で重要だったと考えている。トップクラスのマシンで自分の能力を発揮できたからだ。

「2024年よりも前は、彼らは僕のことを考えることすらできなかったと思う」と彼は語った。

「GTには、両方で活躍できる若くて才能のある選手がたくさんいる。このクルマで速ければ、ほとんどのクルマで速く走れると、本当に信じている」

「昔はGTカーとLMP1の間には、違いがあった。だが現在のLMDhは、GTで運転していたものにずっと近づいてる」

「だから、今年プロトンでハイパーカーを学んだことは、間違いなく大きな助けになったと思う。また、プロトン、JOTA、ファクトリーチームなどと違ってはいても、彼らは僕をチームメイトと比較することができる」

「そして、僕にはふたりのとても良い基準となるべきドライバーがいて、ふたりともとても良い人だし、彼らから多くのことを学べる」

「もちろん、僕らが一緒に戦ったすべてのレースを見ると、僕は常に悪くなかった。コンディションは上下するものだが、僕は常にトップに立ってきた」

「だから、これは良い兆候だと思う。それに加えて、スパで少し輝きを見せたことは、助けになったね。戦うことができたし、予選でうまく走れることもあった。燃料を節約し、タイヤを節約しながら走行を続け、ペースが良く、ミスがなかった」

「結局のところ、必要なのはパッケージ全体だ。速いドライバーはたくさんいるが、ファクトリーチームがドライバーに求める細かい条件をすべて満たすのは、大変なことだよ」

ポルシェ963
2024年のWECでジュリアン・アンドラウアーがドライブしたプトロン・コンペティションの99号車ポルシェ963

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