8号車トヨタの流れを変えたレース序盤のセーフティカーランを味方につけ、スポットライトを浴びたのがジェンソン・バトン擁するSMPレーシングの11号車BRエンジニアリングだった。

 バトンがスタートドライバーを務めた11号車はセーフティカーラン中にステイアウト。先行するトヨタの2台がピットに向かったため、22周目から32周目終わりの11周に渡り、ワークスチームを抑えて総合首位を走り、レース開始から1時間の節目をラップリーダーとして迎えたのだ。

 ただ、そのあとにルーティンのピット作業を終えると直近のライバルである1号車レベリオンR13に先行を許して総合4番手に後退したほか、レース途中にはオルタネータートラブルもあり、緊急のピットインを余儀なくされてしまう。

バトンがドライブする11号車BRエンジニアリングBR1・AER
バトンがドライブする11号車BRエンジニアリングBR1・AER

 チームはパーツを交換してトラブルを修復したが作業に8周を擁し、トップから11周遅れの総合4位でレースを終えた。

「この富士スピードウェイでは(2018年にフル参戦している)スーパーGTでもラップリーダーになっていないんだ。だから、それをWECで達成できてうれしい」とバトン。

「スタートはドライブしていて楽しかった。バトルもできたしね。ウエットタイヤでスタートして、ドライ(タイヤ)に履き替えるというストラテジーも正しかった。ただセーフティカーが僕たちにとっては裏目に出てしまい、レベリオンの後ろまでポジションを落としてしまった。それでも、レース開始から1時間を総合トップとして迎えられたことはうれしく思うよ」

「レース中はマシンバランスに苦しめられたし、オルタネーターのトラブルもあった。パーツを交換しなくてはならず、それで8周程度は遅れをとってしまった。それでも総合4位でフィニッシュできたことは驚きだ」

「オルタネーターの交換を終え、ニュータイヤを履いてコースインしたんだ。そこから15周くらいはトヨタの後ろを走り続けることができた。これまで僕たちは速いペースを維持し続けるだけの安定性を発揮できていないんだけど、あの15周はトヨタに引き離されることはなかった。楽しかったよ」

 総合4位で表彰台を逃しながらもレースを楽しんだというバトンと対照的だったのは、総合3位につけた1号車レベリオンのロッテラー。暫定表彰式終了後、会見場に現れたロッテラーは「リザルトは悪くないけど、予選と決勝のどちらも、燃料使用量を念頭にセーブした走りをしなくてはならなかった。こんな状態でトヨタと戦うのは不可能だ。退屈なレースだった」と言葉少なに、その場を後にした。

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