あるエンジニアがワンメイクであるがゆえの悩みを語る。「ダラーラの前のスウィフト製のシャシーは、その前のローラ製のシャシーとホイールナットが共通だった。だからチームはローラからのノウハウをそのままスウィフトにも流用できたけど、昨年から導入されたダラーラ製のホイールナットは品質が良くない。インパクトレンチでホイールナットがしっかり合わないと外した時に飛んで行ってしまうし、トルクを強くしすぎると今度はホイールナットの角をナメたり嚙んだりして外れなくなる。そこはもう、各チームのノウハウによる部分が大きい」

 別チームのメカニックもその内容に同調する。「ホイールナットがアルミ製で、インパクトレンチがチタン製なんですけど、アルミのホイールナットがチタンに負けてしまうんですよ。材質が違ってすぐにホイールナットがダメになってしまうので、頻繁に新しいものに替えないといけない。だから、ホイールナットの管理にはものすごく注意しています」

 かつてはチームでオリジナルのホイールナットを作ることが認められていたが、今のレギュレーションでは全チームが同じホイールナットを使用しなければならない。「もともと、ヨーロッパのGP2で使われていたホイールナットを安価だからということでスーパーフォーミュラでも使っているだけ。こんな扱いづらいホイールナットを使うくらいなら、チームのオリジナルなり、別の統一品を使った方がいいのは、どのチームのスタッフもわかっているはず」と、語気を強める声も聞こえた。

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