予選と決勝は共にウエットコンディションになりました。日曜日はレース中に大雨が降るという予報はありませんでしたが、レース前の雨でコース上には結構水が溜まっていました。路面が乾くのに時間がかかることやグリップレベルの低さも考えて、レースはフルウエットタイヤでスタートすることにしました。

 レース開始後、インターミディエイトタイヤに交換するタイミングは、インターでスタートしたジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)のタイムや、6周目にインターに履き替えたシャルル・ルクレール(フェラーリ)のセクタータイムを見て決めました。8周目にインターに履き替えたケビンは、前に誰もいない状況で比較的良いペースで走ることができ、11番手とポイントを獲れる可能性のあるところにもいたので、うまくレースを進められていたと思います。

 レース中盤の30周目くらいには、このレースでスリックタイヤで走れるチャンスはないだろうと思い始めました。というのもドライのラインが見えてきていても、ライン以外は濡れている所がたくさんあって、そこがどれくらいグリップが低いかもわかっていたからです。

 同時にこの1セットのインターで最後まで走り切ることはほぼ無理だろうとも考えていました。8周目からインターを履いているウチの2台のタイヤは摩耗が進んでいましたし、もっと水の多かったスタートからインターで走っていたラッセルが32周目にピットインしたのを見ても、50周を走り切れるとは思えず、30周すぎくらいでダメになると考えていました。ですので、どのタイミングでタイヤを変えようかということを考えてレースをしていたのです。

 またレース後半のかなり路面が乾いた状況で新品のインターを履けばオーバーヒートしてあまり保たないかもしれないと思っていたので、少なくとも残り20周くらいのところまでは1セット目のインターで引っ張りたいと考えていました。

ケビン・マグヌッセン(ハース)
2020年F1第14戦トルコGP ケビン・マグヌッセン(ハース)

 しかしラッセルのアウトラップや、それより前の30周目にピットインしたルクレールのタイムなどをみて、新品のインターが良さそうだったのでラッセルにアンダーカットされるのを防ぐため、34周目にピットインしたのですが、これが間違いでした。

 レース中は“予測”ラップタイムを使ってピットインの判断をしているのですが、この時のラッセルの予測タイムはケビンよりも3秒ほど速かったのです。つまりあと1周ケビンのピットインを遅らせるとアンダーカットされてしまう可能性が高くなります。

 しかし実際ラッセルはそこまで速くなかったのです。今回のレースのようにコンディションが不安定な時は、予測データの精度も落ちます。そこをきちんと考慮せずにケビンをピットインさせてしまいました。もしもっと正確に状況を把握できていれば、急いでピットインをする必要はなく、摩耗したインターでどこまでいけるかを見極める機会をつくれたはずです。これはこのレースの大きな反省点のひとつです。

■次のページへ:1ストップで走り切ることができたトルコGP。重要なのは「各々がどんなリスクを負うか」

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