一方、コレッタはLMHプロトタイプの取り組みが本格的に始動したときに、フェラーリがGTレースでのワークスプログラムを中止することを検討していることを示唆した。これは市販ロードカーベースのカテゴリーがカスタマーレーシングのみに移行することを期待してのことだ。

 先週Sportscar365が報じたように、フェラーリは来春にLMHにシェイクダウンを行い2023年初頭にレースデビューさせることを計画している。このタイムラインは、来年末までとされたGTEへのコミットメントとうまく合致している。

 コレッタは「我々の(GTEへの)関与は今年と来年はOKだ。しかし、その後はどうなるかわからない」と述べた。

「だが、将来的にGTはカスタマーのためだけに考えるのが普通だと考えている。なぜなら、我々のオフィシャルチームとの関わりはハイパーカーになるからだ」

「私は他の競合他社にとっても、GTカーは顧客のためだけのクルマになるのが正しいと考えている」

「私の考えでは今日のLM-GTEアマのように、ブロンズまたはシルバー(ドライバー)をそこに置くことが重要だと思う。これは将来販売するクルマの数での成功や、メーカーのビジネスにとって非常に重要だからだ」

 フェラーリは、現在のWECが開始された2012年のシーズンから選手権に参加していたGTEメーカーのひとつであり、最初の6つのキャンペーンで5度のチャンピオン獲得を果たしている。

 2012年と2014年、2019年にはル・マン24時間レースでGTEプロクラス優勝を飾り、2017年にはワークスドライバーのジェームス・カラドとアレッサンドロ・ピエール・グイディが世界ドライバーズチャンピオンシップを獲得した。

 2021年はWECでAFコルセが走らせる2台のワークスカーによるGTEプロでの取り組みに加えて、計12台ものフェラーリ488 GTE EvoカスタマーカーがWECとELMSにまたがって参戦する予定だ。

 また、フェラーリはファナテックGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWS・エンデュランスカップに、2台のフェラー488 GT3で参戦するアイアン・リンクスに対してファクトリーサポートを提供する。

アイアン・リンクスのフェラーリ488 GT3 Evo
アイアン・リンクスのフェラーリ488 GT3 Evo

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