S-GT2026 rd5 Suzuka Final
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa LC500 GT
決勝レースの大半で表彰台圏内を走行し速さを示すも
フロントタイヤのトラブルにより13位でチェッカー
気温:34℃、路面温度:49℃(スタート時)
AUTOBACS SUPER GT 2026 SERIES第5戦『SUZUKA GT 300km RACE』は、8月23日(日)に決勝レースを迎えた。前日の予選に引き続き鈴鹿サーキットは朝から好天に恵まれ、真夏の日差しが照り付ける厳しい暑さとなった。それでも2日間で5万2500人のファンがサーキットに駆け付け、決勝レースのスタートを待った。
LMcorsaにとって鈴鹿サーキットは、昨年の雪辱を果たしたい特別な舞台でもある。昨年の決勝レースでは4番グリッドからスタートすると、ドライバーの力走とチームの完璧なピット作業によって2位でチェッカーを受けた。しかし、レース後の車検で最低重量の規定をわずかに満たさず失格。結果こそ残らなかったものの、Syntium LMcorsa LC500 GTの速さとチーム力は充分に示していただけに、今年こそ結果を持ち帰るべくチームの士気は高まっていた。
迎えた前日の予選では、Q1を担当した吉本大樹選手がA組3番手で突破すると、Q2では河野駿佑選手が渾身のアタックを披露して4位を獲得。奇しくも昨年と同じ4番グリッドから300kmの決勝レースをスタートすることとなった。
決勝日は午前中から併催カテゴリーのレースやピットウォークなどが行なわれ、12時00分から20分間にわたってウォームアップ走行が実施された。LC500 GTには、まず吉本選手が乗り込んで6周を走行。その後、河野選手へドライバー交代すると、コースへ復帰してすぐにベストタイムを更新した。しかし計測9周目、右フロントタイヤがバースト。河野選手は車両へのダメージを最小限に抑えるためペースを落とし、慎重にマシンをピットまで戻した。
ウォームアップ終了後はすぐに決勝レースのスタート進行が始まったが、チームは限られた時間の中でマシンの状態を確認するとともに、タイヤがバーストした原因を調査。必要なチェックを行ない、LC500 GTを4番グリッドへと送り出した。
決勝レースは予定通り13時30分に、三重県警のパトカーと白バイによるパレードラップで幕を開けた。LMcorsaは吉本選手をスタートドライバーに起用。4番手から上位進出を狙った。吉本選手はスタートから4番手をキープすると、6周目には3番手を走行していた61号車BRZをスプーンコーナーでオーバーテイクして表彰台圏内となる3番手へ浮上した。さらに周回を重ねてもペースは衰えず、10周目には自己ベストタイムを更新。前を走る777号車アストンマーティンとのギャップを1秒以内まで縮め、2番手を狙える位置につけた。15周目には61号車BRZが接触によってコースアウトしたため、FCY(フルコースイエロー)が導入された。すぐにFCYは解除となり、16周目を迎えるとレース距離の約3分の1を消化し、規定のドライバー交代を行なうためピットインするマシンが現れ始める。17周目には前を走っていた777号車がピットへ戻ったことで、吉本選手は2番手に浮上。トップの9号車BMWとの差を縮めたいところだったが、ピットストップを終えてコースへ復帰したマシンに前を塞がれ、タイムをロスする状況となった。
そこでチームは19周目にピットインを指示。4本のタイヤ交換と給油を行なうとともに、吉本選手から河野選手へドライバー交代を行なった。素早いピット作業によって、前半スティントで先行していた777号車の前でコースに復帰。順位は13番手だったものの、実質的なポジションを上げることに成功した。
河野選手は22周目、23周目と立て続けに自己ベストタイムを更新して快調にラップを刻む。先行するマシンが次々とピットインすると25周目には6番手、30周目には4番手へ浮上。全車が規定のピットストップを終えた33周目には2番手となり、昨年に続いて表彰台を狙える位置につけた。後方からは7号車のFERRARIが約1秒差まで迫っていたが、河野選手はタイヤを労りながらペースを維持。テール・トゥ・ノーズには持ち込ませない絶妙な走りで2番手を守り続けた。しかし、40周目前後から右フロントタイヤに振動が発生し始める。そして42周目のシケイン手前で、ウォームアップと同じ右フロントタイヤがバースト。河野選手は冷静にLC500 GTをピットロードへ進め、メカニックも迅速に4本のタイヤを交換した。大きな車両ダメージを負うことなくコースへ復帰したものの、2番手から13番手まで順位を落とすこととなった。
さらに、このタイミングでGT300クラスのマシンが130Rでクラッシュ。FCYで1周を走行した後に、セーフティカーが導入された。コースアウトした車両の回収に加えてクラッシュパッドの補修が必要となり、レースは再開されることなく48周目にセーフティカー先導のままチェッカーフラッグが振られた。
リベンジを果たすべく快調に周回を続けたLC500 GTだったが、最終的には13位で決勝レースを終えた。レースの大半を表彰台圏内で走行していたため、終盤のタイヤトラブルによって上位フィニッシュを逃したことは悔やまれる。
今戦は、ウォームアップと決勝レースの2度にわたって右フロントタイヤがバーストした。高速コーナーが連続する鈴鹿サーキットはもともとタイヤへの負荷が大きいうえ、路面改修によってグリップレベルが向上。さらにLC500 GTのパフォーマンスを最大限に引き出すために攻めたセットアップを採用したことで、従来以上にタイヤへ負荷が掛かる状況となっていたことが想定される。
結果には繋がらなかったものの、前戦の富士スピードウェイに続いて予選から上位を争い、決勝でも2番手を走行したことでパフォーマンスは充分に示せている。
<吉本大樹選手>
「ウォームアップでタイヤトラブルがありましたが、決勝は昨日までと同じようにマシンの調子が良く、序盤に61号車をパスして777号車を追う展開となりました。コース上で抜けるほどの差はありませんでしたが、ピット作業を含めれば逆転できると考えていました」
「FCY明けにバックマーカーに詰まったため19周目にピットインしましたが、残りは30周未満だったのでタイヤは持つと判断していました。河野選手のペースも良く、優勝した9号車には届かなくても2位は充分に狙えたと思います。それだけに同じタイヤトラブルで表彰台を逃したことは非常に悔しいです。ただ、これまでの夏のレースにはなかった手応えも得られたので、次戦のスポーツランドSUGO戦でリベンジしたいです」
<河野駿佑選手>
「ウォームアップでは130Rで突然タイヤがバーストしたため、決勝レースも同じタイヤということを意識し、できるだけ労りながら走りました。7号車フェラーリや18号車AMGとのバトルもありましたが、タイヤをセーブしながら可能な限りのペースで2番手を守っていました」
「しかし、40周目前後からタイヤにバイブレーションが出始めてペースも落ち、空気圧のアラートも出るようになりました。そして42周目のヘアピン手前でバーストしてしまい、表彰台争いから離脱することになりました。大阪トヨペットの多くの応援団が来てくれたなかで、また良い結果を報告できなかったことは残念ですし、本当に悔しいです。ただ、すぐに次戦があるので、気持ちを切り替えて前を向いて進みたいです」
