AXCR2025、チャヤポン・ヨーター選手が総合首位で最終日へ

LEG7レポート:正念場のSS7を3台そろって完走。悲願の王座奪還を目指す。

 2025年アジアクロスカントリーラリー(AXCR)の競技7日目となるLEG7が8月15日(金)に行われました。この日は、プラーチーンブリーからパタヤへと至るコースが設定されました。総走行距離は402.15km、プラーチーンブリー南部を舞台とするセレクティブセクション(SS)の距離は164.90km。コース序盤の一部はSS1/5と同じルートを使い、プランテーションの中を走る狭いセクション、穴だらけの路面、さらには川渡りなどが選手たちを待ち受けます。また、明日の最終日に残されるSS距離はわずかに69.55kmと短く、大きな差がつきづらいため、まさに正念場の1日と言えます。

 この日は、SS5においてトップタイムをマークした田口勝彦選手が先頭走者。「AXCRでは初めて先頭スタートを務めますが、水たまりの深さが分からなかったり、倒木など予測できない状況にも対応しなければなりません。重要なのは、行けるところと行けないところの見極めでしょうね」と、先頭走行の難しさを語ります。

 田口選手は前半のセクションで左のリヤサスペンションを立ち木にヒット。中間サービスでは応急処置に留まったため、本来のペースを発揮することができず、SS6番手タイム、総合タイムではひとつポジションを上げて、5番手でフィニッシュしました。

 田口選手は「(サスペンションのダメージで)フラフラしてしまうので、ペースを抑えながら走らざるを得ませんでした。後半セクションでは距離が合わずに、10分くらいロスしてしまいましたね」と、悔しさをにじませながら、この日の走りを振り返りました。

チーム三菱ラリーアート、3年ぶりの勝利に王手。「このまま逃げ切ってもらえたら」と増岡総監督/アジアクロスカントリーラリー2025
田口勝彦/保井隆宏組(チーム三菱ラリーアート/105号車ミツビシ・トライトン)は立ち木にヒットし足回りにダメージを負うも、ステージ6番手でフィニッシュ。総合5番手に順位を上げた 第30回アジアクロスカントリーラリー2025

 9番手スタートのチャヤポン・ヨーター選手は、首位の座を揺るぎないものとするべくアタック。田口選手を含む数台をかわしてフィニッシュする好調なペースで走り切りました。

「今日はできるだけスピードを保ち、かつリスクを避けて安全に走るというプランどおりに進めることができました。明日はいよいよ最終日ですが、緊張はしていません。フラットでハイスピードなコースだと聞いているので、今からスタートが楽しみです。集中して、最後まで全力を尽くします」と、笑顔を見せるヨーター選手。SS2番手タイムをマークした結果、総合2番手のライバルに10分12秒の差をつけて、首位の座を保ったまま競技最終日へと向かいます。

 小出一登選手は、後半セクションの終盤でほかの競技車両と接触するアクシデントに見舞われてしまいました。幸いダメージは外板のみで、走行には差し支えのない状態でサービスへと帰還。それでもSS15番手タイムを刻み、総合23番手に浮上しました。

「今日はまあまあ乗れていた手応えはありましたが、終盤でミスコースから復帰する際に横をぶつけられてしまいました。足まわりにダメージなくフィニッシュすることができたので、また明日も頑張ります」と、気持ちを切り替えています。

 競技8日目、最終日は16日(土)のLEG8です。残されたSS距離は69.55kmと短く、首位のヨーター選手はライバルに対して10分12秒のリードを築いていますが、クロスカントリーラリーにおいては、わずかなミスで失われてしまうリードとも言えます。チームは最後まで緊張感を保ちながら、22年以来の優勝を目指します。

チーム三菱ラリーアート、3年ぶりの勝利に王手。「このまま逃げ切ってもらえたら」と増岡総監督/アジアクロスカントリーラリー2025
ほかの競技車両と接触するアクシデントに見舞われながら、15番手でフィニッシュし総合23番手に浮上した小出一登/千葉栄二組(チーム三菱ラリーアート/118号車ミツビシ・トライトン) 第30回アジアクロスカントリーラリー2025

チーム三菱ラリーアート総監督 増岡浩のコメント

「ライバルとは僅差ですが、レグ7の山場をチャヤポン選手はしっかりと切り抜けてきてくれました。残るは最終日です。もちろんゴールするまでは分かりませんが、このまま逃げ切ってもらえたらうれしいですね」

「これもチームの全員が力を合わせてサポートしてきた結果です。チャヤポン選手は絶好調ですが、サービスでは細かい部分までしっかりチェックして、ノントラブルで最後まで走り切れるように準備したいと思います」

「首位に立ち続けるということは、常に追いかけられる立場でもあるので、プレッシャーは相当あると思いますが、彼はメンタルが強いので、その点は安心ですね」

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