11月6〜9日に開催されたWRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2025』に参戦したTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム2期生の山本雄紀。一時はWRC2クラス4番手につける活躍をみせたが、雨の最終日にクラッシュを喫し完走を逃した。
今年も愛知県と岐阜県を舞台に争われたラリージャパン2025。トヨタWRC育成ドライバーである山本とコドライバーのジェームズ・フルトンは、昨年のラリージャパン2024年に初めてGRヤリス・ラリー2で出場し、山本にとっては2年目のホーム大会となった
フルデイ初日となった7日の午前中からペースを上げた山本だ、SS3で3番手タイムを記録してWRC2クラスの4番手につける。SS4の伊勢神トンネルで壁に接触してクルマにダメージを負いタイムをロスするも、SS7ではクラス2番手タイムを記録する速さで一日を終える。
翌8日も2番手タイムを記録する好ペースを発揮した山本。雨となった最終日も滑りやすいウエット路面のなかSS15で3番手タイム、SS17とSS19では4番手タイムを記録する活躍をみせたが、最終パワーステージで水たまりのブレーキングでアクアプレーニングに見舞われ、コントロールを失い壁にヒット。サスペンションにダメージを負いリタイアになってしまった。
山本は「今年、ラリージャパンに戻ることができて本当に嬉しかったです。ラリーのスタートは順調で、SS3ではすでに良いタイムを記録していました。その後、伊勢神トンネルのステージでトンネル内の壁に接触してタイムを失いましたが、その後も良いペースを維持することができていました」と2度目の母国大会を振り返った。
「日曜日にウエットタイヤを履き、初めてフルウエットコンディションの道を走ることができたのは良かったです。ステージごとに学びながら順調にステップを踏み、パワーステージを迎えたのですが、水たまりでのブレーキング時にクルマのリヤが突然グリップを失い、どうにもなりませんでした」
「完走できなかったのは残念ですし、チームとファンの皆さんに申し訳なく思います。それでも、ホームイベントで大きな応援を感じることができたので、より強くなって戻ってきます」
また、インストラクターを務めるユホ・ハンニネンは「今年のラリージャパンでの山本は、ポジティブな瞬間もネガティブな瞬間もあった。金曜日は順調なスタートを切り好位置につけていたが、トンネル内で壁に当たりクルマにダメージを負ってしまった」と評した。
「最終日のコンディションは非常に厳しく、特にパワーステージは難しかったと思う。残念ながら山本はアクアプレーニングでクルマのコントロールを失い、彼のラリーはそこで終わってしまったが、あのような状況では起こり得るアクシデントだ」
「全体的に見て山本のペースは昨年より向上していて、今シーズンの成長を示すものだった。しかし、ラリー全体を通して安定して3日間を走り切るには、まだいくつか課題が残されている」
ラリージャパン2025翌日に発表された来季のTGR WRCチャレンジプログラム活動計画では、山本は引き続きトヨタGRヤリス・ラリー2でWRC2の7戦を含むWRCイベントにフルシーズン参戦することが発表されている。


